お客様が実践された快適な家をより暖かくする工夫が「その1」、わが家でもそれを実践した様子が「その2」、衝立のバージョンアップと衝立の高さについて書いたのが「その3」です。
今日は、その次に行った工夫をご紹介します。
わが家では洗面やトイレなどの小さな窓(カーテンも何も無い窓)にのみ、コールドドラフト対策の衝立を置いています。それ以外の部屋の窓は、すべて障子戸があります。
障子戸は、基本的にコールドドラフト対策は必要ありません。それは、カーテン・ブラインド・ロールスクリーンと違って、窓(窓枠)との間にすき間がほとんど無いからです。
しかし、全く無いかというとそうではなく、わずかなすき間があります。2枚の引違い障子戸の場合、左右の戸と戸の間に(縦方向に)すき間がありますよね。
カーテン等に比べてとてもわずかな量ですが、ここから出る冷気もコールドドラフトです。障子戸は、対策が必要ないと書きましたが、そのわずかなコールドドラフトも無くそうというのが、今日ご紹介する工夫です。

1枚目の写真で、お分かりでしょうか。左の戸と右の戸のすき間に、段ボールが挟んであります。分かりやすいように、戸からはみ出すようにして写真を撮りましたが、普段は戸からはみ出さないように設置します。(置いてある・挟んであるだけです。)
挟んであるのは、幅2センチ・高さ30cmほどの段ボール1枚のみ。たったこれだけのことなのですが、障子戸のコールドドラフト対策です。
戸に張り付けるすき間テープなどもホームセンターに売っていますが、ここにすき間テープは貼りたくなかったので、このやり方にしています。戸を開閉する時は外すのですが、冬ですからあまり開け閉めしない(日本海側の冬は晴れの日が少ない)のでこれで十分です。

ついでに、窓際の温度もご紹介しておきましょう。
2枚目の写真、障子の手前(温度計の所)は22.5℃と部屋の室温とほぼ同じですが、障子戸の向こう側は9.5℃。(測定場所は窓の下部で一番温度の低い所。)
この時の外気温は6℃位ですから、窓際(下部)って結構温度低いですね。(但し、カーテン等の窓はすき間が多いので窓際温度はもう少し高い。)
逆にいうと、障子戸とコールドドラフト対策で、これだけ冷たい空気を貯めてくれるのです。
コールドドラフト対策をしてないと、こういう冷たい空気が窓から下りて床の上の温度が下がります。それを抑えることで、床の上の温度・室温が上がるというわけです。
今日ご紹介した障子戸のコールドドラフト対策は、そこまでやるの?というレベルです。最初は実験的にやってみたのですが、(わが家は障子戸が多く)効果があるのでずっとやり続けています。
障子戸以外のコールドドラフト対策をした後に他にやるところは・・・と探すと、こういう所にいきつくのです。
でも普通の家は、障子戸が少ないですよね。ですから、やるとすればカーテン等の窓やカーテンも何もない窓の対策を先にして下さい。
注:窓からの冷気や対策後の効果に気付きにくい家があります。それについては「その2」に書いてあります。
この対策は、寒い家だけの話ではありません。暖かい家をより暖かくそして省エネに・・・という実践でもあります。また、お金をかければやり方はいろいろありますが、ここでご紹介しているのは誰でも簡単にローコストでできる工夫として参考になさって下さい。
草野鉄男建築工房