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2016年06月04日

木の変色

今日は、木の話です。過去に、木の変化について書きました。それは、外壁の経年変化に関する内容でした。今回は、あっという間に木が変化してしまうという話です。家の中の床板が、とんでもない色になってしまうことがあるのです。
写真をご覧下さい。2枚の板の上3分の2ほどが、紫色になっていますね。
これは、どのご家庭にもある「ある物」をこぼすと、みるみるうちにこういう色に変化してしまいます。
「ある物」とは、アルカリ性の洗剤や重曹などです。ただし、どれでもこの写真と同じになるのではなく、色の違い・色の濃さは洗剤によって違います。(写真の実験時は、重曹を使いました。)
また、写真は板の上3分の2が変色するように塗り広げてありますので、少しこぼしただけでこうなるわけではありません。

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液体洗剤の場合は、こぼした(飛び散った)ところだけ変化します。でも、それを拭き取るために布巾・雑巾を使ってその周りまで拭くと、拭いた分だけ広がってしまいます。
重曹の場合は、粉をこぼしただけでは変色しないのですが、それを濡れた布巾・雑巾で拭き取ると、粉が水に溶けることで変色してしまうのです。
板の変色について、もう少し細かいところを見てみましょう。
写真の2枚の板をよく見ていただきますと、左の板は赤味だけの板ですし、右の板は両端に少し白太がある板です。
右の板の白太部分が、紫色になっていないことに注目して下さい。その下部の白太と見比べると、わずかに黄色くなっているのが分かります。
つまり、この変化というのは、木の赤味に多く含まれている成分がアルカリ性に反応して起きる変色であるということです。

この変色は、無垢材ならではのものです。
こういうことは、設計打合せ段階で床板・外壁などを選択していただく時に、木の変化のこともご説明しますので、知っていれば大したことでもありません。
知らずに、(床を綺麗にするために)洗剤や重曹を使ってお掃除したら、紫色になって驚かれるケースもあるようです。突然こんな色になったらびっくりするでしょうね。
では、もしこうなってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
大丈夫です、ちゃんと解決方法があるのです。それにつきましては、住まいのお手入れ・補修・工夫のカテゴリで「床板が変色してしまったら」を書かせていただきます。
解決方法があれば、もしこうなっても安心できますね。

それでも、写真のような紫色になる板を見ると、やっぱり無垢の床板にするのは・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これが嫌だからと無垢の床板をやめてフローリングにしたとしたら、他にたくさんある木の良さの恩恵を受けられません。あとで、(他の面で)とても後悔することになります。
こういう変色も木の短所ととらえずに、見方を変えてみたらどうでしょうか?
木が変色して「変なもの落ちてる(こぼしてる)よ。」と、教えて(合図して)くれているのです。(お子様とくに赤ちゃんがいらっしゃるご家庭では、大事な合図になりますよね。)
木は、住むご家族・お子様を守ってくれているのです。

次回は、「床板が変色してしまったら」です。

草野鉄男建築工房
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2014年02月20日

ピカピカの床

「この床、何でピカピカしてるの?」と言われたのは、わが家(展示場)を見に来られた方の言葉です。
本物(無垢)の木であるというのは誰が見ても分かりますが、本物の木の割にはすごく艶があって、うちじゅうの床がピカピカなのでそう思われたのでしょう。
床板の選択肢は4種類あって、まずは色(板の取り方)の違いで、赤身のみの板と源平(赤身と白太が混ざる)の板の2種類。それに熱圧処理をするかしないかの違いです。

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赤身か源平か、それを熱圧するかしないか、の合計4種類。どの板にするかは、それぞれの板の特徴などを説明したうえで、お施主様に決めていただきます。
色に関しては赤身と源平を半々に、熱圧するかしないかはお客様によって違いますが、熱圧するしないはうちじゅう揃えます。
わが家の場合は、展示場という意味合いも含めて、3種類の板を使いました。1枚目の写真は、左から順番に赤身熱圧あり・源平熱圧あり・源平熱圧なしの板です。

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2枚目の写真は角度を変えて見てみると、左と真ん中の板が熱圧ありなので光の反射が多く、右の板は熱圧なしなので反射が少ないのがお分かりでしょう。
また、熱圧ありの板は木目部分が浮き上がっているのに対して、熱圧なしの板はそれがないのも違いの一つです。
これを実際に張った床板は、3枚目の写真が赤身熱圧ありの部屋、4枚目の写真が源平熱圧ありの部屋、5枚目の写真が源平熱圧なしの部屋です。

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色に関しては、白太の白い部分があるかないかを見ると分かりやすいです。3枚目が赤身、4枚目と5枚目が源平であることが分かりますね。
熱圧ありなしの違いに関しては、熱圧ありの3枚目・4枚目と、熱圧なしの5枚目も、写真ではほとんど同じようにしか見えません。
これはまた別の理由があり、1・2枚目の写真の板は切れ端なので何も塗ってないのですが、3〜5枚目の床板には米ぬかワックスが塗ってあるため、熱圧なしの床板でもこのように艶が出ているという訳です。
熱圧ありはもともと光沢があるので、米ぬかワックスを塗っても光沢はさほど変わりませんが、色は少し変わります。熱圧なしの場合は、米ぬかワックスを塗ることによって、色も良くなりますし光沢も出てきます。

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したがってピカピカの床の理由は、熱圧処理による光沢と米ぬかワックスの光沢によって、3種類張ってある床板がどこもかもピカピカに見えるのです。
熱圧処理の場合は板自体がそうなっていますので持続しますが、ワックスだと時間が経つと光沢が無くなるのでは?、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ワックスと言うと誤解を招くかもしれませんが、合板フローリングの上に塗膜をつくるワックスではなく、木に染みこませるための米ぬかから抽出した油です。
塗った後のつるつる感は減っていくのですが、代わりに時間が経つと天然乾燥してある(木の良い成分がちゃんと残っている)板ならではの色艶もあって、使い込んでいくうちに艶がでてくるという感じです。

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言い換えれば、古美る(古く美しくなっていく)という言葉がピッタリだと思います。
ですから、普通のワックスなら何年か毎に塗り直しが必要ですが、この板の場合は塗っても良いですが塗らなくても気にならないからです。
夏はサラサラで気持ち良く、冬は暖かくて心地良い、一年じゅう裸足で触れる床板です。
写真では伝わらない木の色艶・香り・足触りは、ぜひ実物で体感していただきたいと思います。
posted by kusano at 10:58| Comment(0) | 木の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月17日

木の箱

今日の写真は、見てお分かりの通り木の箱です。大工さんが造るような立派な仕上がりの物ではなく、私と息子で造った木の箱です。
なぜ木の箱を造ったかといいますと、子供が学校で板を使って何かを造る工作をし、それを造るときに金づちで釘を打つのが面白かったらしいのです。
ですから、木の箱を造りたいというよりは、金づちで釘を打つという作業(遊び)をしたかったのです。
わが家には、板の切れ端がたくさんありますので、では何か木の箱を造ろうということに。最初に造ったのは、1枚目の写真の右側の箱です。私が、鋸(のこぎり)で板を切って、子供が釘を打つという作業分担。
1個目の箱は、何を入れるかも関係なしに、ただ私が楽をしたいために、鋸で板を切る回数をなるべく減らすように造ったもの。床板などに使う本実加工された板の幅をそのまま使うか、半分に切っただけの箱です。

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私が楽をした作業は、どうでもいい話ですが。
最近では、学校で使う工作用の材料として本物の木を使うことが少なく、集成材や合板がほとんどになっています。
金づちの持ち方や釘の打ち方などは、少しは教えてくれると思いますが、木に関することは何も教えてくれないようです。(教えないというより、使う材料が違いますから。)
日本は世界有数の森林国であり、木の文化と共に生きてきた国ですから、せめて教育の場では本物の木を使い、木のことを教えながら工作をしてほしいと思います。
私たちも、学校では木のことを学びませんでしたし、現在の学校の先生も同じですから、教えようにも教えられないということも事実です。
(学校の先生はまだ良いですが、建築をつくるプロたちが木のことを学ばずに、木の家を造っていることの方が問題です。)
木のことをよく知らないために、目に見えやすい割れや隙間などばかりをあげて、知らず知らずのうちに受けている木の良さ(恩恵)に気づけないのです。
木造建築・木の家が見直されようとしている今だからこそ、学校の段階から本物の木に触れる・木に関する教育が重要だと思うのです。
そうしないと、やっぱり木は・・・となって、また建材(集成材・合板)の家になりかねませんね。

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写真の木の箱の話に戻って・・・、ただ釘を打って終わりの作業(遊び)ではなく、木のことも少しずつ教えながら造っていきました。
板は、方向によって割れやすさが全然違うので、割れやすい方向の端っこに釘を打つ時は、先に錐で穴をあけてから打つと板が割れない、など説明しながら1個目の箱は30分ほどで完成。
1個目を箱を造った数日後に、また造ろうということになり2個目。それは、1枚目の左側にある箱・2〜3枚目の写真の箱です。
今度は、入れる物を決めてから・・・、テレビなどのリモコンを入れる箱を造ることになり、リモコンの寸法を測って箱の寸法を決定。

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1個目の箱よりも少し丁寧に造ることを目標。子供に、切った面をペーパーで磨く作業も追加しました。
2枚目の写真をご覧いただきますと、箱の立ち上がり部分は赤身部分で揃えました。底板は木目の良い部分が見えるように。
3枚目の写真の手前に大きな節がありますが、そこは硬くて釘が打ちにくいので節をよけて釘を打つといいよと教えると、じゃあ板を上と下を反対にしたら?と子供が考えました。
釘だけのことを考えるとそれでも良いけど、板を上下反対にすると立ち上がりの板の上面に節が見えてきて、見た目的にどうかな?(参考までに、4枚目の写真はこの箱の裏面。立上り板の下面に節が見えていますね。)
という具合に、2個目の箱を造り終えました。

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今度造るときは、木には表と裏があって、木が反る方向は・・・など教えながら造ろうと思います。
木のことを教える以前に、まずは子供たちには本物の木に触れさせてあげて下さい。
そして、本物の木の家に住んでおられる方は、乾燥してきたから隙間が空いてきたね・割れが入ったね、湿気を吸ってくれているから隙間が小さくなってきたね、と生活の中で教てあげて下さい。
木の良さを知ると共に、日本の木の文化を語り継いでいきましょう。
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2007年09月04日

木の変化 その3

今日の木の変化は・・・。
前々回・前回の変化は、50〜60年経った板の色や摩耗の変化でしたが、今日はあっという間の変化です。あっという間の変化とは・・・?、実際には変化と言うより、加工と言うべきでしょう。
写真の板をご覧下さい。(1枚目も2枚目も同じ板です。)黒い色をした板ですが、黒い塗装を塗ったのではなく、焼いてある杉板なのです。一般的に焼板とか焼杉板と呼ばれています。
板を焼くというのは、木の耐久性を向上させるために昔から行われてきた方法であり、防腐塗料など薬品に頼らない加工方法と言えます。
ただし、焼いたからといって永久に木が変化しないのではなく、50〜60年も経つと前々回の板のようになりますし、逆に何もしないで放ったらかしておいても、前々回のように自分で身を守り、古く味が出てくるのが木の素晴らしさです。
以前は、防腐塗料といえば環境に影響を及ぼすことが問題でしたが、最近は環境に優しい自然塗料が増えましたので、塗装しない方が良いと言っているのではありません。
それよりも、塗装の性能に頼る前に外壁の板で大事なことは、赤身の板を使うか、源平の板ならば焼板を使うという、木そのものを適材適所に使うことが優先です。

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話はそれましたが・・・。
本題に戻って、焼板加工による変化です。2枚目の写真を拡大して見ていただきますと、前回の板と同じように凹凸になっているのです。
凹凸の具合も同じで、春目が焼かれることによって減り(細胞が縮まる)、秋目が浮き出た状態です。そうなる理由は、前回とまったく同じであります。
前回の写真と、今日の2枚目の写真は、パッと見ると同じ板のように見えますが、もちろん違いますよ。
板の小口(板の端)を見ると、前回の板は50〜60年の年月により小口面まで秋目が浮き出ていますし、今日の板の小口は新しい板を切ったことが分かります。
こうして見比べると、焼板は耐久性効果もそうですが、焼いたことにより年月の経った味が出ていますし、前回の板は50〜60年も経っているのに、新しい焼板とほとんど変わらないと言っても良いのです。

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おまけに・・・3枚目の写真は、この焼板を張ってある外壁です。
1枚目2枚目の板を見ると、かなり黒い色をしているようですが、板が黒くなっているのではありません。
焼いた後に、煤(すす)が板の上にたくさん付着して(残って)いるので、黒く見えているのです。板を触ると、煤がついて手が黒くなります。
つまり、外壁に板を張り終えた頃はまだ黒いですが、雨風で煤が落ちていきますので、しばらくすると木目がはっきりした板になっていくのです。(3枚目の写真は、板を張ってから1年ほど経過した状態です。)
この板、50〜60年はもちろんのこと、100年以上は使えますよ。
3回にわたって書きました木の話、今回は外壁の板に関する木の変化について・・・でした。

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2007年08月31日

木の変化 その2

前回、外壁の板の変化について書きましたが、色の経年変化のお話でした。
今日は、同じ外壁の板で、摩耗という変化についてです。
外壁に張ってある板ですから、長い年月のあいだ風雨にさらされて摩耗します。
写真の板は、前回と同じ板であり、その小口(こぐち:板の端、切断面)、をアップにして写したものです。(この板は、50〜60年間外壁に張ってあった。)
写真を拡大してもまだ見にくいかも知れませんが、板が磨り減って凸凹しています。
その凸凹をよく見ると、木の年輪部分が凸になっていて、年輪と年輪の間部分が凹になっているのです。
どうして、こうなるのでしょう?
以前に「木の話」で、木の年輪について書いていますが、年輪部分のことを晩材(秋目)と言い、年輪と年輪の間部分のことを早材(春目)と言うのです。
その晩材(秋目)部分は、木の密度が細かいので硬くて、早材(春目)部分は、密度が粗いので柔らかいのです。
これでお分かりでしょう。
年輪部分は、硬くて摩耗しにくいのに対して、年輪と年輪の間部分は、柔らかいので摩耗しやすいからなのです。
言い換えると、春目が磨り減ることによって、秋目が浮き出ている状態になっているのです。
でも、磨り減ったといっても、ほんのわずか(1mmもないほど)ですし、50〜60年間でたったこれだけです。
こういう磨り減り方をすることによって、板の木目がよりはっきり見えてくるため、古くなっても味が出るのではないでしょうか。(前回の写真もご覧下さい。)
前回の、板が自分で身を守る変化、そして木目を浮き立たせる変化など、木の持つ性質って凄いものですよね。

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2007年08月29日

木の変化

今日は、木の話です。
木も、年月の経過と共に変化しますが、外壁の板がどのように変化するのか?
木が変色して、グレー(ねずみ)色になっているのを見られたことがあると思います。それを見て、木の汚れ・木が腐っている、という風に誤解されている声も耳にします。
しかし、これは木が汚れているのでもなく腐っているのでもありません。木は、直射日光に当たると自ら身を守ろうとして、木の表面に膜を形成するのです。それが、グレー色の膜なのです。
ここら辺の話や外壁の板の塗装の話など、以前に「家づくりあれこれ」のジャンルに、木の外壁1〜4まで書いてありますので、興味のある方はそちらもお読み下さいね。
写真に写っている板は、先日まで外壁に張られていた板です。張ってから、50〜60年位経過しているそうです。
私が用意した板ではなく、ブログでも紹介している家のお客様が、近所で解体している家を見て、この板をもらって来られました。長年経過した外壁の板を調べるためにです。
このお客様だけでなく他のお客様もそうですが、木がグレー色になる理由も含めて木の変化のことも、すべてご存知です。
自分の家の外壁を選択する時に、木も含めたいろいろな材料の一長一短を知っていただき、コストのバランスも考えて外壁を決めていただくからです。
このお客様は、木のグレー色が汚れや腐っているのではない、ということを確認するために、解体現場からもらってこられたというわけです。
余談が長くなりましたが・・・。
写真の板をご覧下さい。(写真をクリックして拡大してご覧頂いた方が分かりやすいと思います。)
板の右側がグレー色になっていますよね。もらって来られたときは、板の端から端まですべて右側のよなグレー色をしていたのです。左側は、お客様が削られましたので、グレー色でなく木の色が出ています。
このように、少し削るだけで、グレー色の膜が落ちますので、木そのものの本来の色に戻るというわけです。
染み込んだ汚れでしたら、削っても染み込んでいる部分まで汚れの色があるはずです。腐っていたとしたら、削っても木の色は出てきませんよね。
50〜60年よりもっと、数百年という古い建物がグレー色になっているのも同じことで、少し削ると本来の木の色が出てくるのです。
つまり、それだけ経過していても、汚れているわけでなく腐っているのではないのです。また、あるグレー色まで達したら、それ以上濃くならないというのも凄いことですよね。
グレー色が良いか悪いかは別として、木がグレー色になるのは木の持つ性質である、ということを知っておいて下さい。
この板が張ってあった家は壊されてしまったようですが、この木はまだまだ使えるのです。

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2007年01月26日

木は大切なものを守ってくれる その2

前回の続きです。
本物の木には調湿効果(自然の除湿)があるので、木の箱に入れておけば湿気から守ってくれて、中のものを長く保管できるという話でした。
日本の気候は高温多湿ですから、いかにその多湿から物(人も)を守るかということが、生活していくうえで重要なことなのです。
家の中の湿度が高いと、食べ物や家も腐りやすくなりますし、病気の原因にもなりますよね。
これに対して、木の箱が中のものを守ってくる、という例として、薬たんすや正倉院の宝物の話を書きました。
では、この「木の箱」と「中のもの」を、「木の家」と「家の中に住む人」に置きかえてみて下さい。
家づくりの考え方も、これとまったく一緒です。
ですから、日本の民家は調湿効果のある木で作られていたのです。(これは、気候が変わらない限り昔も今も同じです。)
木の箱には、自然の調湿効果があるが、ビニール・樹脂・建材の容器はそれがないので、乾燥剤などを使わなければいけない。

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箱を家にすると・・・
木の家には、自然の調湿効果があるが、ビニールクロス・樹脂・建材でできた家にはそれがないので、エアコンや除湿機を使わなければいけない。
建材の家の場合、エアコンが必要なのは仕方のないことですから、家・住む人・食べ物のためにも、機械で湿度をコントロールして下さい。
木の家には、エアコンが要りませんというと、多分信じていただけないでしょうが、古い民家やお寺などに入ると、ひんやり涼しく感じた経験があると思います。それが、自然の除湿効果です。(木の家にはエアコンが不要という話は改めて書かせていただきます。)
やはり、エアコン等の機械に頼るのではなく、身近にある自然素材の調湿効果を生かす住まい方が、家にも住む人にも優しいですし、また環境にも優しいですよね。
木(木の箱・木の家)で、大切なもの(家・家の中のもの)を守りましょう。そして、何より大切な家族・お子様も。
まず、木の良さを見直してみませんか。

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2007年01月24日

木は大切なものを守ってくれる

今日は、木に関する話ですが、1枚目の写真の建物から順にご説明していきます。
この建物は、以前に「富山の民家・街並み」でもご紹介しましたが、有形文化財に指定されている薬種商の金岡邸です。
富山の薬売り(売薬さん)、ってご存知だと思います。その売薬さんが、薬の原料を仕入れにいく問屋さんを薬種商というのです。
文化財なので200円の入館料が必要ですが、まず店舗部分に入りますと正面にたくさんのたんすが目に入ります。
それが2枚目の写真です。細かい引き出しがたくさんありますね。そうです、薬を保管しておくためのたんすなのです。
この薬たんすは、150年ほど前に作られて今でも充分使えます、と解説が書いてあります。やはり、本物の木で作ってありますから長持ちしますね。

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それよりも、3枚目の写真を見て下さい。こういうふうに、薬の原料が保管されていました。
木には調湿効果がありますから、梅雨時期や暖房などによって湿度が高くなっても、湿気を吸ってくれて中に入っているものを守ってくれるのです。
これと同じことをもっと有名な建物でいいますと・・・、誰でも知っている奈良県の正倉院です。
この建物には、昔の文房具や絵画・書物、楽器や調度品にいたるまで、たくさんの宝物が何百年もの間、傷むことなく保管されていましたよね。
正倉院といえば、校倉造です。高床式で、三角形の木を組んで作ってあることも、日本の高温多湿という気候から守るための工夫でした。
これも大事なのですが、宝物が長く保管できた理由としてもうひとつ大事なのは、これらの宝物が木の箱に保管されていたからなのです。

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これが本物の木の箱でなく、ビニールや樹脂製・建材(合板)の入れ物だと、調湿効果がないので乾燥材を入れておかなければいけません。
乾燥剤など何かに頼ると、効果の期間が限られますが、本物の木であれば永久にその効果を発揮してくれます。
高級なものや湿気の影響を受けやすいものなどが、木の箱に入れてあるのはそのためだったのです。
桐のたんすなども同じことですが、最近のたんすは建材で作ってあるものがほとんどですから、注意が必要です。
みなさまの宝物は、大丈夫ですか?
本当に大切に、長ーく保管しておきたいもの(湿気の影響を受けるもの)であれば、今すぐ本物の木の箱に入れておいて下さいね。

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2006年07月21日

ボロボロになる木と古美る木

上の写真は、建材(合板フローリング)の床です。
建ててから、30年位経っていて、かなりいたんでいますね。
合板フローリングが出始めた頃は、まるで魔法の木のように思われていたかもしれません。
早く製造できる、安い、仕事も早く進む、そして本物の木のように隙間も開いたりしないので、お客様からのクレーム防止に最高の材料だったのです。
完成した時は、綺麗でピカピカで、お客様も大喜びでした。
しかし、長い年月この材料と一緒に暮らしてみて、いろいろなことが分かってきました。
建材にはとんでもない有害物質が含まれていて、それが体の中に入りアトピー等のアレルギーからシックハウス症候群まで引き起こしました。(最近の建材は、有害物質の量は減りましたがゼロになったわけではありません。)
最初はあんなに綺麗でピカピカだったのに、これを直すことも出来ず、こうならないように防ぐ方法もありません。壊しても有害物質が入っているので、処分するのにも困り者なのです。
最初だけ綺麗で、時間の経過と共にボロボロになり、あとはどうしようもないのが建材・集成材だったのです。

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一方、本物の木の場合はどうでしょうか。
下の写真は、本物の木の床であり、築80年位の家です。
この家では、柱や床・天井など昔ながらの塗りがしてありますので、敷居や床板がこういう色をしています。
もちろんその色だけでなく、長年の生活の染みや汚れもついているでしょうし、傷のあともいっぱい見えています。
古い民家や歴史ある神社・お寺は、本物の床ですので、見た感じや触った感じが想像していただけるでしょうか。
本物の木は呼吸(吸放湿)していますので、隙間が開いたりしますが、そのおかげで梅雨時期でも床板がサラサラで、裸足で歩いても気持ち良いのです。
また合板のような硬さがないので、足腰に負担が少なく、人体の変わりに木が傷ついてくれているのです。
こうして、本物の木は私たちに対して、知らず知らずのうちに五感に優しい働きをしてくれます。
汚れや傷があっても、その木がいたんでいるのではなく、本物の木は中味も本物ですから、汚れや傷は削ることによって消す事もできます。
しかし、それもその家の生活の歴史というか、家族の思い出になってしまうのではないでしょうか。
建材と比べますと、本物の木は時間の経過と共に味が出てくると言えますし、古美る(ふるびる)と言えるのです。

最終的にどちらが良いかは、家を建てられる方の選択です。
なかには、板に隙間があくのが嫌とか、汚れた木が耐えられないという方もいらっしゃいますし、20〜25年で建て替える家ならば、合板フローリングの寿命でも良いという考え方もあるでしょう。
家族の健康を考えられる方や、本当に長持ちする家を望んでいる方は、床板に隙間が開くなどといった木の本質は理解されて、迷うことなく本物を選択されます。
しかし、私が一番悲しいのは次のケースです。
お客様が、木の本質を理解して本物の木を望んでおられるのに、作る側の都合で建材を選択させられてしまうことです。
前述のクレーム防止などが一番大きな理由ですが、木は反ったり隙間が開くから止めた方がいいとか、本物の木は価格が高いですよなどと、プロの方に言われると誰でも止めざるを得ないと思います。
ちなみに、このブログで紹介している家の床板は、普通の家で張られている合板フローリングの価格とそんなに変わらないんですよ。
本物の木の床板だっていろいろありますから、探せばあるのです。探そうともしていないのでしたら、残念なことです。
あきらめないで、本物の木の家を建ててください。
本物の木の良さが見直されて、こんな家が1軒でも多く建つことを願っています。

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2005年08月06日

力強い木

力強く育っている木を見つけました。
樹齢は、少なくとも50〜60年以上でしょう。木の高さも、かなりありました。
同じような木でも、苦労してる木とそうでない木があります。
平坦なところやちょっとした斜面に生えている木だと、苦労は少ないでしょうが、こういう木は大変苦労してますよね。
最初からこうだった訳でもなく、年月と共に地形も変化して根っこの部分がこうなったと思われます。
しかし、こういう変化にもビクともせず、自分も倒れたりしないように、地面の中でバランスをとりながら根を伸ばしているのでしょうね。
根元の部分は、こういう風に苦労してると粘り強そうに感じませんか?
実は、やっぱり粘り強いんですよ。
木は、根っこから順番に決められた長さに切られていきます。根元部分を、元玉または1番玉、その次以降を2番玉・3番玉・・・と言います。
その粘り強い1番玉・2番玉で、構造的に重要な部分の木を取るのが一般的なのです。例えば、大黒柱とか大きな梁なんかがそうです。
切られてしまった丸太とか、製材された柱や梁を見ても、こういうことを感じさせませんが、木もいろいろ苦労しながら育っているんですね。何十年もかかって・・・。
この木を見ていると、力強く生きていくという人生の教訓にも思えてきましたので、撮影してしまった写真なのでした。

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2005年07月13日

「木は五感に優しい!」のまとめ

本物の木は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)と体感に良いという話を前回ま、10回にもなりましたが書いてきました。(読んでおられない方、お時間のある方は、ぜひお読みください。)
では、最後に要点をまとめてみましょう。
1、視覚・・・木の光沢と暖かい色により、温もりや暖かさを感じる。また、木目には「1/fのゆらぎ」効果があるので、落ち着きや心地良さを感じさせる。
2、聴覚・・・木は、低音から高音まで適度な吸音性能を持っているので、耳障りな音を吸収してくれる。
3、嗅覚・・・木の持つほのかな香りには、鎮静効果がありこれも落ち着きであり、安眠効果もある。
4、味覚・・・人間が口にする食べ物や飲み物の容器・食器等に木の良さを生かした使われ方がされていた。
5、触覚・・・木には、断熱材のような保温・遮熱効果があるので、触れても暖かい、また肌触りも良い。
6、体感・・・木の調湿作用により、一年中湿度をコントロールしてくれるので、夏や梅雨のときは涼しく、冬は結露防止の役目もする。また湿度が下がることにより、防虫・防カビ効果となる。
こういうふうに、どれを取ってみても人間の五感と体感に良いことばかりです。
家の構造材(柱・梁)に使えて、床板などの仕上げ材にもなり、それらを使うことによって、これだけ人間の健康に良い材料なのです。
木を真似た集成材や張り物の建材には、これらの効果のうちの1つも持っていません。
それは、建材に慣れた私たちが一番良く知っていますよね。
私たちは、このほんの数十年間の間に建材という物に慣らされてしまい、建材イコール木であるという誤解もしてしまっているのです。
本物の木と建材と、どちらが良いですか?という答えが分かりきった質問は、もう意味がないでしょう。
それよりも、本物の木と建材の違いを理解し、改めて本物の木の良さを見直してあげて欲しいのです。
なぜ、日本の気候風土に木の家が合っていたのか、分かっていただけると思います。

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2005年07月11日

体感で感じる木の良さ 3

前回と前々回で、本物の木には調湿作用があって、湿度をコントロールしてくれるから、夏に涼しく、冬は結露しにくくしてくれることなどをご説明しました。
本物の木を使うことや、その木を見えるように使うことが、高温多湿という日本の気候にあった家づくりだったことも書きましたね。
この調湿作用という働きは、木の良さの中でも非常に重要な部分といえますので、もう少し補足しておきます。
ちょうど今は梅雨ですから、ビニールクロスなどの建材を使ってある家は、蒸し暑くてエアコン無しでは過ごせないと思います。
しかし、本物の木は湿気を吸ってくれていますので、建材の家に比べると涼しいのです。
エアコンの温度を下げて省エネにするために、ネクタイを外すという運動(?)が行われていますよね。
この場合、建物は住宅ではありませんが同じことです。部屋の内装材を建材から本物の木にすれば、ネクタイを外さなくても同じ効果があるという意味です。
もし、木の内装材にしてネクタイを外せば、もっとエアコンの温度を下げられるか、エアコンが要らなくなるともいえます。
しかし、こういう建物やビニールクロスなどの建材で作ってしまった家は、仕方ないですからネクタイを外すか、エアコンに頼るしかありませんが・・・。
床板も合板フローリングですと、梅雨や夏の時期は裸足やスリッパでも、ペタペタッとくっついて気持ち悪くありませんか?
これも本物の木の床板ですと、湿気を吸ってくれますのでこういうことがないのです。
また、部屋の湿度が高いということは、ダニ等の虫も発生しやすいですし、カビの繁殖も活発になりますから、食べ物もそうですが、住んでいる人自身の健康に影響されるということが、お分かりいただけると思います。
こういう家では、除湿機に頼るか、エアコンをガンガン運転させるしかありませんよね。
本物の木は、こういうふうに人知れず、家と住む人に良い働きをしてくれていたのです。(ただし、本物の木が使ってあって、木が見えるように正しく作られた家の場合です。)
木のことを、少しでも見直していただけたでしょうか?

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2005年07月07日

体感で感じる木の良さ 2

前回の話で、木には調湿作用があり、湿度が高いときに水分を吸ってくれることにより、夏に外が暑くても家の中に入るとひんやりすることなどについて書きました。
このひんやりと感じるのは、何故なのでしょうか?
日本の気候風土は高温多湿であり、この湿度の高さにより蒸し暑いのが特徴です。
気温が高くても湿度が低い場合は、直射日光の下では暑くても、いったん日陰に入ると涼しいのです。(例えば、ハワイの気候なんかがそうですよね。)
しかし、湿度が高いと日陰に入っても蒸し暑いのですよね。これは、家の中でも同じことです。
ですから、家の中に調湿作用のある木が使ってあると、湿度を下げてくれるのでひんやりと感じますし、実際に涼しいのです。
逆に、調湿作用の無い材料(ビニールクロスや建材など)が使ってあると、蒸し暑い家になるというわけです。
本物の木であれば、柱・梁といった構造材も、床・天井などの板材も調湿作用がありますし、その大きさや厚みが厚いほど調湿量も多くなります。
しかし、同じ木造の家でも柱・梁の構造材が、壁の中や天井裏に隠れて見えない状態では、調湿をしてくれません。
それどころか、壁の中や天井裏の湿度が高くなると、湿気の逃げ場もなく柱・梁などの木が腐りやすい状態になっています。
こういう理由で、本物の木を使うことや、その木を見せて使うという昔からの家づくりは、日本の気候風土に合っていたのです。
時代が変化しても、日本の気候が変化しない限り、この家づくりの本質は変わらないのです。
ただ、木造の家であれば良いってもんじゃなかった・・・のですよ。

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2005年07月05日

体感で感じる木の良さ

五感で感じる木の良さのシリーズで、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)についての話を終えました。しかし、五感の他にもう1つあるんでしたよね。
それは、暑い寒いといった人間の温熱生理による体感でした。
どういうふうに体感に良いかといいますと、本物の木には調湿作用がありますので一年を通して適度な湿度に保とうとする働きをしてくれるのです。
木は呼吸しているといいますが、実際には息を吸ったり吐いたりしているのではなく、この調湿作用のことなのです。
実験室の内装面に杉とビニールクロスを張って、室内の湿度変化を比べてみると、ビニールクロスより杉の方がはるかにその変動幅が小さく、湿度が一定に保たれる実験結果があります。
つまり、湿度が高くなれば水分を吸収し、湿度が低くなれば水分を放出するという働きを、木はしてくれているんです。
一番わかりやすいのは、夏の暑いときに木の家に入ると外よりひんやり感じますよね。それがこの調湿作用によるものなのです。
また逆に、冬に暖房器具や調理等から、水蒸気がたくさん出ると結露しやすくなりますが、木の調湿作用があれば結露しにくくなるんですよ。
まさに、天然のエアコンや除湿機が一年を通して自動運転してくれているようなものですね。
木というのは、この調湿作用だけとってみても、とても優れた材料でなのですよ。
では次回に、調湿作用により涼しく感じる理由や、その他のことも書きますので、お楽しみに!

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2005年07月01日

触覚で感じる木の良さ

視覚・聴覚・嗅覚・味覚で感じる木の良さについて書きました。
次に、触覚で感じる木の良さです。
触覚といえば、誰もが本物の木を手で触れたり、床板を足で踏んだりといった経験をしたことがありますよね。
本物の木は、金属やコンクリート・ガラスに比べて暖かく感じます。
こうした材料の温冷感には、熱伝導率(熱の伝えやすさを表す量)が関係しています。
熱伝導率が大きい材料では、人の皮膚から熱が逃げやすく、皮膚と材料の温度は低下するので冷たく感じられます。
逆に、熱伝導率が小さい材料では人の皮膚から熱が逃げにくく、暖かく感じられるのです。
例えば、杉の熱伝導率はコンクリートの1/12、鉄の1/483と小さいので、触ったとき暖かく感じるわけです。
樹種によっても違います。
大きな違いは木の密度で、針葉樹(杉・桧など)は密度が粗く、広葉樹(ケヤキ・ナラなど)は密度が細かいのです。
密度が粗いということは、顕微鏡で見ると穴だらけだと思ってください。穴だらけということは、それが空気層であり断熱材と同じことなのです。
ですから同じ木でも、触ったときに針葉樹(杉・桧など)の方が暖かく、広葉樹(ケヤキ・ナラなど)の方が冷たく感じます。
そして、この密度の粗い細かいというのは、木の硬さでもありますので、針葉樹の方が柔らかくて広葉樹の方が硬いのです。
また張り物の合板フローリングも、ベニヤを何重にも張ってできている建材ですので、密度が細かいのと同じだから触ると冷たいのですよ。
冬に裸足で床の上に立つと、合板フローリングは冷たくて、本物の床(特に針葉樹)は暖かいのは、こういう理由からです。
こういうふうに、本物の木は熱伝導率が小さい(熱を伝えにくい)ので、調理道具の取っ手や柄、ドアノブ・手すりに用いられるのです。
何気なく触れている本物の木は、こういう働きをしてくれていたのです。
そして、その暖かさや柔らかさが、また落ち着きや心地よさにもなっているんですね。

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2005年06月29日

味覚で感じる木の良さ

五感で感じる木の良さのお話、前回までで視覚・聴覚・嗅覚について書きましたね。
今日は、味覚です。
味覚と木って関係あるのー?って聞こえてきそうですが、あるんですよー。
味覚といっても、木を食べるわけではありませんが、本物の木は味覚と無縁ではないのです。
それは、私たちが口にする食べ物や飲み物と木との関係があります。
食べ物や飲み物を入れておいたり保管したりする容器に、木で作られた樽や桶などがありますよね。
こういった樽や桶には、スギ・ヒノキ・サワラなどが一般的に使われていました。
酒樽には、香りをつけるためにスギが用いられ、匂いがつくと困る食品などを入れておく容器の場合は、サワラを使用していたそうです。
また、樽や桶の側板に使う板の選択に木目も関係していました。
木目には2種類ありましたよね。柾目(まっすぐの平行に並んだ木目)と板目(山型をした形が並んだ木目)です。
この柾目の板を使う場合と、板目の板を使ってある場合とがあります。
柾目の板は適度に吸水するので、おひつ・すし桶などに使われたんだそうです。
サワラのすし桶で作った寿司飯は、ご飯粒のべとつきがなく味覚が増すんだそうです。
聞いてみると、「なるほど!」という感じがしませんか?
ここでも、木であれば何でもいいわけでなく、樹種や木目といった木の本質を考えて使われていたのです。
この容器(樹種・木目)と、食べ物・飲み物の関係を調べてみると面白そうです。
そういえば、食に関する身の回りのものにも、木がたくさん使われていましたよね。
食器はもちろんのこと、お箸・おぼん・まな板・などなど・・・。
皆さんの家では、本物の木でできたこういう物を、まだ使っていらっしゃいますか?
それにしても、木と味覚は関係なさそうでしたが、よく考えてみると家の材料からこういう物まで、人間と木の関わりはたくさんあったのですね。

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2005年06月27日

嗅覚で感じる木の良さ

五感で感じる木の良さのお話です。前回までで、視覚と聴覚の話を書きました。
今日は、嗅覚で感じる木の良さについてです。
本物の木の匂いをかいだ経験は、誰にでもあると思います。
木から匂うほのかな香りは、ストレスを癒してくれたりやすらぎを与えてくれます。
木材中の微量な芳香成分には、鎮静作用があることが、いろいろな実験でも確かめられてきています。
本物の木のこのような成分は、木の製油と呼ばれていて鎮静効果の他に、消臭作用、防ダニ作用、殺虫作用、防カビ・抗菌作用があることも知られてきているのです。
最近では、杉の香りが眠りを促進する作用があることも、研究で明らかになりました。
人の脳波などを測定した結果、眠りに入るのは杉の香りのする部屋が早かったそうです。
ラットで行われた実験でも、杉の香りによって夜間の活動量が減少し、1日の平均睡眠時間が2時間20分も増えたのだそうです。
こういう結果から、杉の香りが交感神経を抑制してリラックスした状態を作り、睡眠を促進するのではないかと考えられているそうです。
この実験では杉でしたが、樹種によって匂いの強弱や芳香成分が少し違います。
杉はほんのりとした柔らかい匂いですが、桧は杉に比べると匂いがかなり強いです。
家じゅうに桧を使うと、匂いが強すぎて人によっては、体質的に反応してしまうこともありますので注意が必要です。
最後に、鎮静効果という意味で、血圧が下がることもわかってきているのです。
本物の木は、いろいろな面で人間の体に本当に優しいんですね。

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2005年06月23日

聴覚で感じる木の良さ

五感で感じる木の良さシリーズで、視覚の話を前回で終えました。
今日は、聴覚で感じる木の良さの話です。
木材の吸音率は、低音から高温まで比較的高く、音を適度に吸収してくれます。そして、程よい残響音を残してくれるのです。
ですから、楽器に木が多く使われているのもこのことからですし、劇場やコンサートホールの内壁にも木が使われていますよね。
これは、住宅でも木を使って家であれば、同じ効果をしてくれます。
一方、コンクリートで囲まれた建物ですと、吸音力が小さくて反射音が大きくなるので、音が響きすぎて耳障りに感じられるのです。
また、木材には低い周波域の音を相対的に増幅して、人間の耳にとって耳障りな高周波域の成分を抑える特性を持っているのです。
このため、人間の聴覚になじみやすい材料といえるわけです。
材料の一端を固定して、他端に振動を加えたときの放射音の大きさと周波数との関係をみると、金属材料ではピークの高さが高い周波数まで変化しないのに対して、木材のピークは周波数の増大に伴って低下するのです。
ちょっと難しい話でしたね。
ご紹介している木の家でも、そうです。なかでも、吹抜けのある家の場合ですと、1・2階の音も聞こえやすいのですが、子供の走る音や物を落としたときの音なども、耳障りな音でなくやわらかい音で、家族の気配を感じさせてくれます。
こういうふうに、木は低音・中音・高音とバランスよく音を吸収してくれて、程よい音を残してくれるので、人間の聴覚に優しいのですね。

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2005年06月21日

視覚で感じる木の良さ 3

前回までの2回で、視覚で感じる温もり・暖かさについて書きました。
その要因として、ほどよい光沢があることと、目に優しい暖色系の色をしているからでしたね。
視覚で感じる他のものとして、心地よい・落ち着くということもあります。
今日は、これについてのお話です。
これに関しましても、色も暖色系だから落ち着く色であるといえるでしょうが、もっと大きな要因とは、木に木目があるからです。
この木目も自然素材特有のもので、同じようで同じでないのです。
木目そのものの色や太さも微妙に違い、木目の間隔も微妙に違っていますよね。
これが、非常に大事なことなのです。
適度な不規則性のことを「1/fのゆらぎ」といいます。
同じようで同じでない木目もこれになるのですが、視覚面だけでなく他にも、波の音・小川のせせらぎ・そよ風なども「1/fのゆらぎ」なのです。同じ繰り返しのようで、微妙に違う繰り返しのものばかりです。
聞いただけでも、心地よさ・落ち着きを感じるものですよね。
この「1/fのゆらぎ」が、心地よさ・落ち着きを感じさせるのです。
ですから、この木目を目で見ることによって、そう感じるのです。
人工の建材や張り物の木(作られた木目)は、一部分がそれを真似た木目であっても、ある幅のものを繰り返し張り付けてあるだけですので、結局同じものの繰り返しにしか過ぎず「1/fのゆらぎ」ではないのです。
だから、建材や張り物の木を見ても、心地よさ・落ち着きを感じないのですよ。
3回にわたって、視覚で感じる木の良さの理由を書いてきました。
結局は、ほどよい光沢を持った暖色系の木に、自然素材独特の木目があることによって、温もりや暖かさ、心地よさ・落ち着きを視覚から感じ取るのですね。
これで視覚の話を終え、次回は聴覚で感じる木の良さのお話ですよ。

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2005年06月19日

視覚で感じる木の良さ 2

視覚で感じる木の良さのつづきです。
本物の木や木の家を見ると、温もりや暖かさを感じますよね。
その要因として前回は、本物の木にほどよい光沢があるからだという内容でした。
そして、もう1つの要因といいますのは、本物の木が目に優しい暖かい色をしているからなのです。
木は、波長の短い紫色から青色の光をよく吸収しますし、反対に波長の長い赤色から黄色の光をよく反射するのです。
このため、橙色を中心とした暖色が基調となっているので、この木の色を見て暖かく感じるのです。
光は、物に当たると吸収したり反射したり透過したりします。普通、私たちが物の色を見ている時、これらのことが同時に起こっているのです。例えば、特定の波長の光が、色の元となる顔料などに吸収され残りの光が表に出てくる事により、その光を色として見ることが出来るのです。
人間の目もカメラのレンズも、こういう風に物の色を感じているのです。ちょっと話はそれましたが、色の説明というのはこうなってしまうんですね。
話を元に戻して、結局は橙色を中心とした暖色系の木の色を視覚で感じることによって、温もり・暖かさを感じるというわけです。
暖色系だから、暖かく感じる・・・ちょっと、当たり前のようなつまらない部分でもありますが、解説の順序ということで・・・。
それと、木というのは、目に有害とされる紫外線の反射が少ないために、目に優しい材料であるという話も付け加えておきます。
次回は、視覚で感じる「心地よさ・落ち着き」についてです。
本物の木や木の家を見ると、落ち着きます。・・・という(感じる)のは、なぜでしょうか?
お楽しみに!

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