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2005年05月17日

長ーい丸太 2

長ーい丸太第2弾です。
やっぱりこちらの家にも使ってありましたよ、長ーい丸太が。
上の写真で、一番手前の柱上部からずっと向こうまで、1本の丸太なのです。
長さは、偶然にも一昨日紹介した家の丸太と同じ長さで、6間半(11.83m)です。
こちらの家の方は、ちゃんとところどころに下に柱があって、なおかつ太い丸太を使ってありますよね。
そこらへんは、こちらの家が数奇屋建築の考え方ではなく、骨太な民家の考え方なんですね。

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この家なんかは、この丸太を使うことを決めてから、家の大きさを決めているはずです。
骨太な材料もそうですが、短かい材料で継がないで長い材料1本物を使うことによって、構造的に頑丈にしているんです。
下の写真では、その長い丸太の根っこ部分が玄関ポーチの上になるようにしているのがわかります。
赤っぽい塗装は漆塗りですが、塗ってある所と塗ってない所があって、粋なものですよね。
構造的なこともそうですが、見せ場も考えて材料を大切に使っています。
一昨日と同じ長さの丸太でしたが、考え方がぜんぜん違っているんですよ。

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posted by kusano at 18:50| Comment(6) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月15日

長ーい丸太

庭がすばらしいですね、という記事を書きたくなりそうな写真です。
この写真も、先日からご紹介している富山市新庄の金岡邸です。
庭もいいのですが、縁側の屋根を支えている丸太に注目です。
なんて長ーい丸太でしょう。(どちらの写真も拡大して見てください。)
向こうの柱から手前の柱まで、ずーっと1本の丸太です。柱と柱の距離は、6間半(11.83m)もあります。
昔の家であれば、長い丸太や梁を使ってあることも、そんなに珍しいことでもありません。
ただこの家では、桧の磨き丸太を使っていますので、これで長いものはあまりないと思います。

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1本でこれだけ長いことよりも、もっと凄いことがあります。
この6間半(11.83m)の間に柱がまったく無いのです。
雪の降らない地域であればいいのですが、富山は雪国ですので1mの雪が積もっても不思議ではありません。
建具の記事にも書きましたが、数奇屋建築の材料の特徴は、細く美しくを根底としているとは言え、ここまでやるとアクロバットです。
単純に考えると、雪が積もるとこの丸太は折れてしまいます。
しかしよーく見てみると、縁側の先端部分に建具のレールがあります。
雪が降るということは冬で寒いですから、雨戸で囲ってしまいますので、その建具で柱の代わりをさせていると考えられます。(あくまでも私の推測ですが。)
それにしても、普通なら柱を立ててしまうでしょうが、そういう発想ができたことが素晴らしいですね。
お見事です!!

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posted by kusano at 18:21| Comment(6) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月13日

シャレた建具 2

前回の5月11日の記事「シャレた建具」では、ガラスの模様が大好評でした。
今日の写真は、4月14日に紹介した民家の建具です。シャレたというよりは、「力強い建具」と言ったほうが似合います。
ケヤキを使って漆塗りしてある骨太な建具です。
前回と今回を比較してみると、家のつくりの特徴と建具も共通であるというのがわかります。
家の作り方で言いますと、同じ古い民家でも前回の建具は、後から増築された部分の建具ですので数奇屋建築なのです。
数奇屋の和室の横にある建具だったのです。(5月11日に写真もご覧ください。)
今日の写真の民家は、伝統的な民家のつくり方をしています。

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わかりやすく言いますと、数奇屋建築の特徴は、細く美しくを基本としますので柱や造作材もなるべく細いもので作ろうとします。
それに対して伝統民家は、太い柱と大きな梁といった骨太な軸組みが特徴的で、その太さや大きさを競います。
家のつくり方の特徴と、建具の作り方も同じですよね。
別々に見ていると、こういう点をあまり感じさせませんでしたが、それだけ家のつくりや部屋の感じと建具がマッチしているということなんす。
どっちの建具のほうが良いということではなく、大工さんも建具屋さんも一緒にみんなで知恵と技術を出し合って素晴らしい家づくりをしていたんだなと感じます。
こういう姿勢を見習いたいものですね。

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posted by kusano at 18:54| Comment(4) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月11日

シャレた建具

一昨日紹介しました薬種商の民家(金岡邸)の内部です。
昔の家ですから、当然すべて木でつくられた建具です。
上の写真は縁側のガラス戸ですが、あちらとこちらの戸ではデザインが違っていますね。
この民家の違う場所のガラス戸を見ると、そこもまたデザインが違っていました。
戸の木の部分は細々しいですが、太い細いは別にして、なんだかシャレてると思いませんか?

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下の写真は、ガラスに注目です。(写真を拡大してご覧ください。)
このガラスも、シャレてません?
昔は、ガラスの模様(絵柄)が結構ありましたよね。紅葉とか、葉っぱ模様だったりとか・・・最近はほとんど無くなってしまいました。
でも、ここまで細かい絵柄も初めて見ました。
絵柄が細かいので、光の入り方(感じ方)が違うんです。それで瞬間的に、今まで見たことのないガラスだって気付きました。
もし割れたら、もう同じガラスが無いのは残念ですね。
しかし、昔の家のこういう遊び心といいますか、職人さんの心意気を見習いたいものですよね。

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posted by kusano at 19:36| Comment(19) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月09日

薬種商の民家

富山といえば、売薬さん(富山の薬売り)でも知られています。
薬種商とは、薬の原材料の問屋さんのことをいいます。売薬さんが、薬種商で原料を買い自ら処方して、売薬の旅に出かけて行くんです。
この建物は富山市新庄町にある金岡邸で、1879年に建てられて130年ほど経っており、現在は富山県の売薬資料館として使われています。
富山は1945年の大空襲で市内のほとんどが焼けたのですが、30軒あった薬種商のうちこの1軒だけが焼け残ったそうです。
ですから、薬種商でなくても古い民家があまり残っていないんですね。

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2枚目の写真は店舗部分ですが、奥に見える薬たんすが凄いですよね。百味箪笥(ひゃくみたんす)と呼ばれていたそうです。
このたんすは1860年に作られたもので、今でも充分に使えます。
それはやはり、本物の木だから長ーく使えるんですよね。
それと、木が呼吸をしてくれるからこそ、薬の材料を保管できるということなんですよ。

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3枚目の写真は、富山の特徴である枠の内工法で作られた空間です。大きな丸太が何重にも組んであって天井の高い部屋です。
4月14日に紹介した散居村の民家にもありましたが、その家よりも組んである本数も多く、天井の高さもこちらの方が高いですね。
この枠の内を家の中心近くに配置して、この部分で家をがっちり作っているということです。
大きな材料で、これだけたくさん木と木が組まれていると、より力強さを感じます。
大きく太い木で、がっちりした骨組みを作っておくことが、本当の丈夫で長持ちする家づくりの基本なのですよ。

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posted by kusano at 18:41| Comment(6) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月14日

散居村の民家

富山県西部の砺波市にある、散居村の風景をご存知の方もいらっしゃるでしょう。
広い田んぼの中にポツンポツンと、屋敷林に囲まれた民家が建っている風景です。
今日は、その民家を見学に行ってきました。
展示されている建物ではなく、今でも住んでおられるお宅で、築120年位だそうです。
正面から見た切妻屋根の外観は、構造美を力強く表していて印象的ですね。そして正面側に下屋(平屋の屋根)が取り付くのも特徴です。
これを富山では、アズマ建ちの家と呼んでいます。

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中に入ると、太い大黒柱と大きな丸太・梁で組まれた天井の高い部屋があります。
この柱・梁の構成を工法的に、枠の内と呼ばれています。
解体するときに大変なくらい頑丈で、転がしても壊れないと言われていて、これが家の中心にあるわけです。
部屋の雰囲気も、何とも風情があり落ち着く空間です。
昔の建具は、工夫が多くてデザインも洒落てますよね。

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しっくいの壁がきれいですが、これは昔のままではなく何十年か毎に塗り直しています。
建具も何十年かして傷んだら取り替えますが、決して捨てるわけではなく、太い材料をけずって一段階細い建具に再利用するのです。
こういう家が、本当の100年住宅なのです。何もしないで100年持つ家はありません。
家づくりで重要なのは、基礎や構造を骨太で頑丈に作っておくということです。
骨太な材料を使ってあるからこそ、こんなに長持ちもしますし、リフォームもできるし、再利用にも使えるんですね。

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posted by kusano at 19:43| Comment(8) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月06日

雪の世界遺産

世界遺産に指定された合掌造りといえば、いくつかの集落があります。
岐阜県の白川郷が一番大きく有名ですが、ここは富山県の菅沼集落で越中五箇山地方上平村の中に位置します。
私も何回か足を運んだことがありますが、冬に訪れたのは今回が初めてです。
積雪は2m近くあり、昔であれば除雪が相当な苦労であったろうと思われます。
今は、富山からずっと高速道路でつながり、五箇山IC・白川郷ICまで1時間位で行けます。

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こういう風景を見ていると、やはり心が洗われますね。
周りの山々と、その自然や環境に溶け込んでしまう家のつくり方と集落の形成は見事なものです。
そして、その家の内外にある生活の知恵と工夫も、日本という地域・文化・気候から必然的に生み出されたものばかりです。
これが昔のものだと忘れ去られる事なく、現代の家づくりに生かしていくべきでしょう。
先人たちは、こんなにすばらしい遺産を残してくれたのですから。

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posted by kusano at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月14日

呉羽の民家

富山市呉羽に民族民芸村という所に、富山の文化等を展示する施設が9棟あり、うち4棟は富山の代表的な民家が移築され展示館として利用されています。
その中でも、私のお気に入りの2軒の雪を覆った姿をご紹介します。
1軒目は陶芸館。吾妻建ちと呼ばれている建て方で大きな切妻屋根を象徴とし、横に下屋を取付けるのが特徴です。
内部には、枠の内工法という四隅に大黒柱を立て、大きな丸太を縦横に何重にも組んだ天井の高い部屋を有しています。
その空間の迫力には、しばし見とれてしまいます。

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2軒目は民芸館。民家というより、たぶん倉庫的に使われた建物であったと思われます。
平屋のように見えますが2階建てで、倉庫だったためかそんなに良い材木でもなく荒壁のままです。
内部は、展示用に住空間のようにしつらえてあり、この雰囲気がたまらなく良く、このまま自分の住宅にしたくなるほどです。
富山に来られた際には、必見の場所です。
内部写真もあれば良かったですが、とりあえず雪の風景ということで。
また、内部写真をご紹介したいと思います。

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posted by kusano at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 富山の民家・街並み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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