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2016年04月20日

植林ツアー2016

先日、山で植林ツアーが行われましたので、私も行ってまいりました。
昨年の秋に、初めて 伐採ツアー に参加させていただいたのですが、植林ツアーに参加するのも今回が初めてでした。それまでは、お客様と一緒に製材所へは何度も足を運んでいましたが、山まで行くのは昨年の秋に続いてこれで2回目となります。
また、今回も(昨年の秋と同じく)この山の木で家を建てられたお客様2組と一緒に参加させていただきました。

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1枚目の写真、こんな風に穴を掘って土を埋め戻して・・・と植林の仕方を林業家が説明しているところです。
2枚目の写真、1組1本ずつ植林を行います。このご家族のお子様が鍬で穴を掘っています。石が多く掘りにくいところだったのですが、一生懸命掘ってくれました。
3枚目の写真、穴を掘り終えたら、苗木を入れて土を踏み固めながら戻していきます。今回、植林させていただいたのは欅(けやき)です。

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植林だけなら、これで終わりです。しかし、続きの作業があります。それは、植えただけだとこの苗木は鹿に食べられてしまうのです。そうならないように、植えた苗木に保護カバーを設置しておきます。それが4枚目の写真です。
写真は、カバーをかぶせているところだけを載せましたが、その前にまず倒れないように杭(ポール)を打ち込み、そのポールに苗木をしばります。そしてカバーをかぶせておくのです。
実際の作業では、私たちの知らない山の苦労があるんですね。
1軒の家を建てる際には、林業家が何十年も苦労して育てた木をたくさん伐らなくてはいけません。ツアーに参加して伐った木の数だけ全部植林するのは到底無理ですが、1本の苗木を植林しただけでもとても意味のあることです。

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また、参加することで山のことを知る・林業家の苦労を知ることができます。こういうツアーの一番の目的は、それを知っていただくことなのです。
ちなみに、この山の木を使って家を建てたら、必ずこの植林ツアーに参加しなくてはいけないということではありません。一緒に参加されたお客様が自ら「この山の木で家を建てて良かった、だから山に御礼をしたい。」という意味で参加して下さったのです。
そう思って下さるというのは、林業家にとっては一番うれしいことでしょう。手塩にかけて木を育てた甲斐があるというものです。

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しかし、木造の家・木の家を建てただけで、そう思えるものでもありません。
そのためには、木の良さが分かる家・木の良さがちゃんと発揮されるつくり方をしなければいけません。こういう家に住むと、木の良さ・大切さがよく分かるからです。
山に御礼をという意味では、ツアーに参加して植林することだけではありません。
木の良さ・木の家の良さを伝える(PRする)ことで、日本の山の木・ここの山の木が少しでも多くの家に使われるようになることが、本当の意味で山への御礼になるのではないでしょうか。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 19:11| Comment(0) | 植林・伐採ツアー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月04日

伐採ツアー2015 その2

伐採ツアーその1 のつづきです。

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1枚目の写真が、伐採した木の切り口です。触ってみると、しっとりしています。年輪を数えてみると、87本でした。植えてから87年も経っているんです。87年前というと、昭和3年ですよ。
ところで伐採した後は、この山では葉枯らし乾燥を行います。葉枯らし乾燥とは、伐採した木の枝葉を残したまま置いておき、葉の蒸散作用を利用して木材を乾燥させるやり方です。伐採後1〜2ケ月間葉枯らし乾燥します。
ですから、本来ならこのまま置いておくのですが、今回は伐採した木を運び出すところまでを見せていただきました。

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2枚目の写真は、根元部分の一部はまだくっついていますのでそれを切断しています。木の上の方では、枝を切り取る作業をしています。
それにしても、真っ直ぐですよね。真っ直ぐに育つ木の、直ぐ木(すぐき)が杉の名前の由来だといわれているのが分かりますね。
でもよーく見ていただくと、わずかに曲がっています。なので、この木は根元から長さ2mのところでまず切られました。その次はまっすぐなので6mに、という具合に切っていきます。長い材料をとるというのは、大変なことなのですね。
普通の横架材(梁・桁)は、4m・6mという長さが標準ですが、今まで設計した家では8mという長さはごく当たり前に何本もあって、家によっては11m・最長で12mという梁も使いました。そういう材も、山での見えない苦労があったのですね。
それでも、構造・強度を優先して考えてくれる林業家たちなので、苦労を惜しまずに長い材を用意してくれることも、丈夫な家になる特徴の一つなのです。

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3枚目の写真は、丸太を持ち上げて切断しているところです。そして、切断された丸太を運搬する機械に載せているのが、4枚目の写真です。
このようにして、木を伐採して運搬するという工程までを見せてくれた今回の伐採ツアーでした。

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山で実際に伐採を見学して・・・、やはり感動しますね。何十年も経ってここまで大きくなったのに、かわいそうでもありました。でも、家の構造材として一緒に住むご家族を守る役割をするために伐採するのですから、一人前になった証です。
それよりも、せっかく構造材になったのに、その家(その木)を20年や25年で壊しまうことの方が、本当の意味でかわいそうなことをすることになります。
普通に家を建てると、木の育った年数や山の苦労を考えることはないと思います。それを知らないと木の家に住めないわけではありませんが、つくり手が住まい手にそういうことを伝えていくべきだと思います。
私自身も、一昨年この山の木を使って家を建てました。伐採ツアーから帰宅し、木の伐採・製材・乾燥などの作業をしている林業家の皆さんの姿を思い浮かべながら、わが家にたくさん使ってあるこの山の木を見ると、より愛着がわいてきたのでした。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 18:06| Comment(0) | 植林・伐採ツアー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月02日

伐採ツアー2015 その1

今年も山で伐採ツアーが開催され、私も参加してきました。
実は、伐採ツアーに参加するのは初めてなのです。製材所へは、お客さまと一緒に何度も行っているのですが、今回初めて山まで行ってきました。

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私のお客様も2組参加されました。この2組のお客様は、昨年に続いての参加です。そして、今回は大工さんも一緒に参加してくれましたので、お施主様とつくり手(設計者・大工さん)が揃って参加させていただきました。
ツアーは製材所やモデルハウスも見学するのですが、その部分は割愛させていただいて山での伐採の様子をご覧いただきましょう。

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1枚目の写真、これから伐採する木の前で、山や林業そして伐採方法の説明を聞いているところです。人の大きさと木の大きさを見比べると、とても太い木であるというのが分かりますね。
説明が終わると、いよいよ伐採です。倒す方向は、山側に倒します。まずは、倒す方向の山側に受け口(斜めに切り取る)をつくります。それが2枚目の写真です。倒す予定の方向にきちんと倒れてくれるように、慎重に受け口をつくっていきます。

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次に、倒す方向の反対側に追い口を入れているのが3枚目の写真。追い口は、チェンソーで切り目を入れます。その切り目に楔(くさび)を入れて、それをたたいていくと木が倒れます。
楔をたたく作業は、ツアーに参加した方々にやってもらいます。この山の木を使って、これから家を建てる方・既に建てられた方・学生さんなどいろいろな方が参加さてています。
小さなお子様も、お母さんと一緒に・・・、4枚目の写真です。

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たたいていくと木が少しずつ傾いていき、あるところでバキバキバキッと音を出して倒れていきます。5枚目が倒れている途中の写真で、楔をたたいていた人は倒れ始めると下へ避難しますので写っていません。

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今回伐った木は、植えてから80年以上経っていると最初に説明がありました。
年輪を数えれば分かりますよね。実際には、何年経った木だったのでしょうか?
次回、 伐採ツアーその2 につづく。

草野鉄男建築工房
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2014年11月25日

伐採ツアー2014

先日、山で伐採ツアーが開催されました。
春に植林ツアー・秋に伐採ツアーと毎年行われている行事ですが、今回のツアーには私のお客様が2組参加されました。既にこの山の木を使って建てられた方と、これからこの山の木を使って家を建てられるお客様です。
既に建てられたお客様は、この山の木を使わせていただいた御礼の意味もありますが、今回が初めての参加ではなく今までも何度か参加しておられます。
何度行っても飽きることがなく、行く度に新しい発見・勉強になることがあるそうです。また今回は、一緒に参加されたこれから建てられるお客様の(家づくりの)先輩としても参加していただきました。

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これから建てられる方は初めての参加でしたが、樹齢100年の大きな木が伐採される様子を見てとても感動したそうです。特に、子供が大はしゃぎでとても喜んでいたと言っておられました。
山で伐採の見学もしますが、このツアーでは製材所・木材加工場も見学コースに含まれています。
そこにもたくさんの丸太が置いてあり、柱・梁など構造材の製材や板材に加工しているところ、そして製材加工を終えた材料を天然乾燥している様子を見学します。
林業家から、加工から天然乾燥までのこだわりや苦労話を聞いて、とても大事に木を扱っておられるという印象だったそうです。

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普通の家なら、上棟直前に現場に材木が運ばれてきて初めて自分の家の木を見ますが、実際には家に使う木を伐るところから始まっています。
木を伐ってから現場に運ばれてくるまでには、林業家・大工さんのご苦労があって家の材料になる訳です。普通なら見れないそういう部分を知ることによって、家を大事に長く使っていただきたいですね。
木は自然素材ですから、木の色や年輪の形成のされ方など、育った地域による違いがあります。しかしその違いは、木材の品質としては大した問題ではありません。それよりも、伐った後の処理・加工による違いの方が重要です。
木を適材適所に選別すること、木の良さがちゃんと出るように加工すること、こういうことが長い目で見た家の性能や住み心地として影響します。
昔の家は、こういう材料を用いて大工さんも木のことを考えたつくり方をしてきたので、長持ちもしますし古民家再生もできるのですね。

今回参加されたお客様は、家づくりの思い出が1ページ増えたことと、木の大切が良く分かられたようです。また、既に本物の木の家に住んでおられる先輩からも家づくり・住み心地などいろいろな話を聞けたことも、とても参考になったそうです。
なお掲載した写真は、参加されたお客様にいただいたものです。ありがとうございました。また参加されたお客様、お疲れ様でした。
私も一緒に同行を・・・と思っていたのですが、やむを得ない用事で行けませんでした。同行もそうですが、昨年はわが家を建てましたので本来なら御礼という意味で参加しなければいけません。来年こそは・・・。

草野鉄男建築工房
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2010年12月07日

伐採ツアー

今日は、山で行われた伐採ツアーをご紹介しましょう。木を用意してくれている山では、春に植林ツアー、秋には伐採ツアーが行われます。

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以前に、この山の木を使って家を建てられたお客様が、このツアーに行って来られたのです。わが家に、この山の木を使わせてもらった御礼の意味も含めてのツアーの参加です。(私も同行しようと思ったのですが、都合で行けませんでした。)
行って来られた後に、その様子などを聞いてみました。(伐採した直後の木の切り口はどんな感じ?、伐採した木の樹齢は?、伐採を間近で見られた感想は?)
お客様からの返答を、下記に抜粋して掲載させていただきます。

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「伐採したのは3本で、切り旬以外の時期に伐採すれば違うのかもしれませんが、切り口は湿っている程度で、切った直後でも水がしみ出すことも無く、濡れているようには感じませんでした。
伐採直後に触った感じは、柔らかく感じます。木の材料と言うより、美味しそうなバームクーヘンのようなケーキに近い感じがします。
年輪は、芯の部分は数えやすいのですが、周辺部に行くと目が細かくなって数えにくくなります。95まで数えることができましたが、樹齢はもう少しあると思います。

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そばで見ていると、一本の木を伐採するまでにいろんなが準備されます。伐採した木が下に落ちていかないようにワイヤーを使うことがあって、ワイヤーが木の肌に当たって皮が剥けないように枝を使って保護したり、前に倒した株に伐採する木が当たると折れてしまうことがあるので、切り株を斜めに切断して倒れてきた木が当たっても木が傷まないようにするなど、木をとても大切に扱っている様子に驚きました。
あと、他の枝に掛からないようにとか、岩に当たらないようになど条件が重なるので、一本の杉の木を倒すことができる隙間は意外と狭く、狙った場所に正確に倒れていく様子にも驚きました。
100年育てて、伐採するときに粗雑には扱えない! そばで伐採作業を見ていて自然にそのように感じました。」以上、お客様のご報告より。

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ご報告いただきましたお客様、ありがとうございました。また写真をブログに使わせていただきまして、ありがとうございました。
100年前に植えて、100年間も手間暇かけて育て、そしてようやく伐採という時にも、傷つけないよう細心の注意を払って、という苦労まであるのですね。この山の林業家が、木のことを自分の子供のように思っている気持ちがよく分かりました。
こういう苦労に報いるためにも、木を大切に。木の家を建てたら、家族のように大事に長く使ってあげましょうね。
posted by kusano at 20:31| Comment(0) | 植林・伐採ツアー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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