PAGE TOP

2016年05月23日

家づくりに参加する(つづき)

過去の記事に、 家づくりに参加する(前編)家づくりに参加する(後編) があります。本物の木の家を建てる際には、どのお客様にも少なからず家づくりに参加していただきます。
山の木を使って1軒の家が出来上がるまでには、長い年月と林業家や大工さんの苦労があります。それを知る、山のこと木のことを知っていただくための「家づくりに参加する」です。
過去の記事には、今日の写真にも出ておられるご家族がいろいろなところをたくさん見学・体験された様子をご紹介しました。後編の一番最後は、完成した家の床板に米ぬかワックスを塗る作業を行って、家づくりに参加の締めくくりとしました。
でも、このお客様の「家づくりに参加する」はまだ終わっていませんでした。

s-DSF_2571w.jpg

今回は、そのつづきをご紹介しましょう。それは、山と林業家に御礼に行かれたことです。写真は、山で植林をしておられるところです。
家1軒分の材料を用意するためには、たくさんの木を伐採しなければいけません。その本数分全部植えるのは到底無理ですが、山に行って1本でも植えるということも山に対する御礼の一つですね。
そして、この山の木を使ったおかげで、「とても良い家が出来ました。」「とても快適で住み心地の良い家になりました。」と林業家たちに報告と御礼をされました。
山まで行ってそうしようと思うのは、御礼に行きたくなる木である、そういう家づくりであるということも大事なのです。
それは、この山ならでは(林業家のこだわり)の、本来木が持つ良さがちゃんと残っている木であること、大工さんがそれを活かすようにつくることで、住まいをされたお客様がその良さをちゃんと感じ取れる家だからなのです。
この山の木を使って良かったと、実感できる家であるということですね。

s-DSF_2589w.jpg

この家のお客様は、前編・後編でもご紹介したようにたくさん家づくりに参加していただきましたので、この山の木のことをよく知っていらっしゃいます。
山の特徴・木の特徴や林業家のこだわりも、またこの山の木を使って家をつくると何が良いのか?・・・も。
そして、実際にできた家に住んでみたら、やっぱり(木の良さが体感で分かる)住み心地の良い家になった。だから、山へ御礼に行きたいとお客様の方から申し出があったのです。

なお、「家づくりに参加する」でご紹介した内容は、どのお客様もすべて同じように参加されているわけではありません。
あくまでも、お客様がご都合のいい時に行ける場所へ、なるべく多く参加していただいているものであります。お父さん・お母さんだけでなく、お子様も一緒に・・・。小さなお子様でも、親が言わなくても自分から手を出して木を触ったりするんですよ。子供でも、五感で感じとっているのです。
大事なことは、木の家を建てる・つくるということは、木を使った意味のある家にすることです。その意味が分かって体感できてこそ、木の家を建てて良かった・大事に長く使おうと思えるのです。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 17:51| Comment(0) | 家づくりに参加する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月01日

家づくりに参加する(後編)

「家づくりに参加する」の後編です。 前回の記事:家づくりに参加する(前編)

s-DSCP2335w.jpg

1枚目の写真、前編の大工さんの刻みが終わると、いよいよ嫁ぐ娘さんの晴れ舞台(建て方・上棟)です。山に生えていた木が、ようやく家の構造材として組まれていきます。
こうしてみると、色が揃ってとても綺麗な骨組みです。天然乾燥された木ならではの色艶をしています。
(現場報告記事:嫁ぐ娘の晴れ舞台 その1嫁ぐ娘の晴れ舞台 その2)

s-DSCP2841w.jpg

この家のお客様は、現場の近くに住んでおられましたので、週末だけでなく平日も何度も現場に見学に来て下さいました。
2枚目の写真、大工さんの真似して、置いてあるほうきを持って掃除を始めました。上手に掃除してくれたので、とても綺麗になりました。
(現場報告記事:晴れ舞台が終わって・・・)

s-DSCP2908w.jpg

3枚目の写真、大工さんが外壁の作業をしているところです。
この家は、外壁材として焼杉板を選択されましたので、黒色をしているのは焼いてある杉板だからです。大工さんが焼杉板を所定の長さに切っています。
(現場報告記事:外壁)

s-DSCP3041w.jpg

4枚目の写真、現場ではなく、久しぶりに大工さんの作業小屋に来ました。大工さんにつくってもらう造り付け家具の作業を見学するためです。
この家も、リビングテーブル・本棚・キッチン作業台などいろいろな物を同じ山の木(板)を使ってつくってもらいました。

s-DSCP3134w.jpg

5枚目の写真、現場で板塀をつくっているところです。
板塀をつくる作業も大工さんの仕事ですが、こんな風にこの家のお子様たちは大工さんだけでなくこの現場に仕事に来た大勢の職人さんたちと仲良くなりました。
(現場報告記事:外構工事)

s-DSCP3145w.jpg

6枚目の写真、いよいよ完成して・・・、恒例の米ぬかワックス塗りです。
山から嫁いできた娘(木)さんに、これからずっとよろしくねと米ぬかを塗って綺麗に磨いてあげます。この家のお子様たち、一生懸命塗ってくれていますね。
(現場報告記事:完成したら床に米ぬか塗り)

山に行ってから完成まで、長い月日を経てようやく家が完成しました。大工さんの作業小屋に現場にと数えきれないくらい通っていただき、たくさん家づくりに参加していただきました。
職人さんたちはもちろんのこと、一番喜んでいるのは嫁いできた娘(木)でしょう。このご家族の家に嫁いできたことを、誇りに思っているに違いありません。

本物の木の家を建てようと思われるお客様のほとんどは、20代後半から30代の方ばかりです。(家族みんなが本当の意味で健康に暮らせる家にしたいという方が多いです。)
ですから、写真のような小さいお子様がおられる方ばかりです。家づくりという思い出づくりに関しては、このように特に小さいお子様にいろいろなところを見ていただきたいのです。

お父様とお母様は子・孫に何を伝え、この子たちはその次の世代にどう語り継いでくれるでしょうか。
ご紹介したように、出来る限り家族みんなで参加して、家づくりの思い出を心に刻んで下さい。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 13:51| Comment(0) | 家づくりに参加する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

家づくりに参加する(前編)

家を建てる際には、ぜひ家づくりに参加して下さい。
間取りや仕上げ・設備機器を決める打合せに参加するのは当たり前のことですが、それ以外にも製材所や大工さんの作業小屋、そして現場にもなるべく見学に行って下さいという意味です。

山に生えている木は、伐られる時点では既に60〜100年という長い年月を経ています。その木が製材・天然乾燥され、次に大工さんに墨付け・刻みをしてもらって、ようやく1軒の家が建ち上がります。できれば、そういう過程を見届けていただきたいのです。
つくり手(設計者・施工者)との打合せだけが家づくりではなく、製材所・大工さんの作業小屋・現場を見ていろいろなことを知ることも家づくりの一部なのです。
1軒の家が出来上がるのに必要な年月と、林業家・大工さんだけでなく他にも大勢の職人さんたちの尽力がある。そういう部分も知ることで、一生に一度の家に愛着をもって長く大事に使っていただきたいのです。
ブログで紹介している完成した家では、どのお客様にも家づくりに参加していただいていますが、ここでは「西公文名の家」のお客様が家づくりに参加された様子をご紹介いたします。現場報告でも一部ご紹介しましたが、それ以外の部分も含めてご覧いただきましょう。

s-IMG_6370w.jpg

1枚目の写真、山で行われた伐採ツアーに参加されました。
ここで伐った木が、この家に使われるわけではありません。伐ってすぐに製材・人工乾燥するやり方であれば可能ですが、木が持つ本来の良さを活かす葉枯らし乾燥・天然乾燥をするやり方では伐採から乾燥を終えるまでに月日がかかるからです。
写真は太い木を伐採しているところですが、伐られた断面を見ると年輪が数えきれない位あって何十年もかかって育ったことが分かります。家は、木が育った年数以上に使わなくてはいけませんね。

s-DSCP1881w.jpg

2枚目の写真、山から(林業家が手塩にかけて育てた)娘さんが嫁いできました。(製材・天然乾燥を終えた木が、大工さんの作業小屋に運ばれてきました。)
この家のお客様が、娘(木)さんとご対面です。山では丸太だった木が、家の構造材として四角く製材されました。大黒柱(8寸)や通し柱(6寸)は、想像以上に太いです。立っている柱を見るより、断面が見える方が太さがよく分かるからです。
(現場報告記事:嫁いできた娘)

s-DSCP1888w.jpg

3枚目の写真、嫁いできた娘(木)さんとご対面してすぐに、大工さんと一緒に番付に参加してもらいます。
大黒柱や大きな梁などを家のどこに使うか、またどっち向きにしようか・・・、そんな難しいこと聞かれても困りそうですが、大工さんのアドバイスを聞きながらなので大丈夫です。
番付してもらうというよりは、木のことを知ってもらうためです。木には元末・お腹背中があって使い方のルールがあるなど・・・。決して難しい内容ではなく、分かると木の見方が変わって完成した家を見るのも面白くなるのです。
大工さんは、このように木を正しく見てさらに木の癖も見てどこにどう使うか決めているんですね。大事なことは、木をちゃんと正しく使っていますよということです。
(現場報告記事:嫁いできた娘とご対面)

s-DSCP2010w.jpg

4枚目の写真、番付の後しばらくして作業小屋に行くと、大工さんが墨付けをしているところでした。
墨つぼ・墨差し・差し金といった大工道具を使って、木に線や文字・記号みたいな物を書いています。それだけを見ていてもよく分かりませんが、刻まれるとその意味が分かります。

s-DSCP2124w.jpg

s-DSCP2140w.jpg

5枚目と6枚目の写真、墨付けが終わるとその次は刻み。嫁いできた娘(木)さんを一人前の花嫁にしてくれる(墨付け・刻み)のが大工さんです。
普通の家ならプレカットされる(機械が自動的に墨付け・刻みをする)のですが、大工さんが行う番付・墨付け・刻みは、木の使い方のルールを守る・適材適所に木を活かしてつくるという技術が丈夫で長持ちする家の秘訣なのです。
(現場報告記事:嫁ぐ娘を花嫁に嫁ぐ娘を花嫁に その2)

前編は、ここまで。
紹介する写真の数は少ないですが、実際には毎週大工さんの作業小屋に見学に来て下さいました。
家づくりの参加は、まだまだありますよ。後編につづく。
次回の記事:家づくりに参加する(後編)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 17:33| Comment(0) | 家づくりに参加する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ブログのトップページへ

草野鉄男建築工房のホームページへ