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2013年03月28日

木の家スクール富山2012 第5回

木の家スクール富山、第5回の講義を開催しました。早くも、2012年度最後の講義です。
今回は、(株)松井郁夫建築設計事務所代表取締役、また一般社団法人ワークショップ「き」組の代表理事もなさっている松井郁夫先生。
松井先生と言えば、伝統構法の家づくり。新築の家だけでなく、古民家再生も含めて木組の家のいろいろな話をしていただきました。
まずは、伝統構法に学ぶ。
伝統構法は、地域によってさまざまなつくり方があると言われているが、全国各地の民家を調べてみると屋根に違いはあるものの、軸組のつくり方はほぼ同じである。
継手・仕口の種類もたくさんあるようだが、整理してみると限られた数しかない。また使う場所が決まっているので、それさえ理解すれば決して難しいものではない。
ところが、現在言われているところの在来軸組工法とは、日本の伝統構法とは全く違うものである。
胴差や間柱などは、西洋のつくり方が教えられるようになってからのものである。
日本の文化・気候風土にあったつくり方としては、古来の伝統構法に学ぶべきであるし、私たち作り手は受け継いでしていかなければならない。

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そして、木組の家の考え方。
荒れ果てる山、消える大工技術、木の家は高い?、木の家は強い?、木の家は省エネ?、こうした問題点がきちんと解決されないまま、企業や大手がつくりやすい方向に進んできてしまった。
それを見直すべく、日本古来の伝統構法を受け継いだ、つまり日本の文化・気候風土にあったつくり方をする。
その際に、誰かが得をして誰かが損をする、というやり方ではいけない。川上から川下までみんなが共存していくやり方でなければいけない。
日本の山の木を使って、山も経営が成り立つようなシステムである必要がある。大きな意味での循環が続いていかなければいけない。
そして、松井先生の新築・古民家再生の実例を紹介していただきました。
これからは、省エネ・温熱環境も考えていかなければいけない。
伝統的なつくり方、また古民家再生のように残せるものは残しながら、かつ快適な住まいの温熱環境の家づくりが必要である。

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今年度最後の講義にふさわしい、山の話・木の話から木構造・温熱環境まで、これからの木の家づくりの講義をしていただきました。
松井先生の講義の中にあったように、現状の問題に気付いたつくり手たちは、顔の見える家づくり・近くの山の木を使った家づくりを始めています。
国産材・県産材を提唱するネットワークが増えたことは事実なのですが、実際に使われている量・出来上がる数はまだまだだと言って良いと思います。
そういう家づくりレベルではなく、街づくりにまでならないと大きな成果は見えてこないのかも知れません。
こういった現状をみても「緑の列島ネットワーク」もまだまだ頑張らねばなりません。
今後とも、よろしくお願いします。
また「緑の列島木の家スクール」富山・名古屋も続けてまいります。
木の家スクール富山も、来年度同じ時期に開講する予定ですので、よろしくお願いします。

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男
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2013年02月20日

木の家スクール富山2012 第4回

木の家スクール富山、第4回の講義を開催いたしました。
今回は、省エネに関する講義です。講師は住まいと環境社の野池政宏先生。
建築実務者の方はご存知の通り、省エネに関する動きが目まぐるしくなってきました。
ゼロエネルギー住宅や認定低炭素住宅、そして省エネ法が改正となります。
現在の省エネ法基準でさえついていけない人が多いというのが現状だと思います。
また、この省エネ法に対して賛否両論あるようですが、賛否の前にまずはどういう内容のものなのか、そして今回の改正でどう変わるのかを知っておく必要があります。
木の家スクール富山の第4回講義は、今回の改正にあわせて「認定低炭素住宅と改正省エネ法基準丸わかり解説セミナー」と題して講義をしていただきました。
改正と言っても今の基準はどういう内容なのか?、それに対してどう変わるのか?

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まず、現在の省エネ基準
基準には、性能規定(建築主の判断基準)と仕様規定(設計・施工指針)がある。
1、性能規定@ 年間暖冷房負荷の基準
2、性能規定A 熱損失係数(Q値)・夏期日射取得係数の基準(μ値)の基準
3、仕様規定  躯体・開口部の断熱性能の基準
上記のように、性能規定に2つの基準と仕様規定が1つの基準と、3つのルートに分かれる。
そして、今回の改正によって
1の基準は無くなる。
2の基準は、Q値→Ua値・μ値→ηa値となり、計算方法も少し変更となった。それに加えて、一次エネルギー消費量の基準も満たす。
3の仕様規定は、無くなる?、移行期間としてしばらく残す?、いずれにしても無くす方向へ。
以上のような改正になるが、これまではほとんどの人が仕様規定に頼っていたため、それが無くなることによりUa値・ηa値・一次エネルギー消費量を計算しなくてはいけなくなる。
この部分が、今回の改正によって大変になるところである。
これを計算するのが、一次エネルギー消費量算定プログラム(建築研究所のHPにある)。
これまでの事業主基準の算定プログラム(IBECのHPにある)を理解している人にはそれほどハードルは高くないが、そうでない人にとっては苦労する。
また、Q値・μ値を計算したことがない人にとっては、相当にハードルが高くなる。
他には、暖冷房の一次エネルギー消費量の評価(計算)において、パッシブ的な要素がかなり組み込まれている。
今回の改正のまとめ
改正省エネ基準は、従来通り建物の基本性能(断熱・日射遮蔽)を担保させながら、具体的に一次エネルギー消費量を計算させることによって、家庭生活由来の一次エネルギー消費量を減らしていこうとしている。

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今までの省エネ基準をよく知らなかった人にとっても、非常に分かりやすく解説していただいた野池先生の講義でした。
これを機に、省エネ基準の数字による評価だけでなく、何が省エネなのかを考えるべきだと思います。
パッシブというと新しいもののようですが、伝統的な民家では庇や長い軒によって日射遮蔽や取得をコントロールしていました。
また、自然素材を活かすつくり方をすることによって、エアコンがない家・エアコンにあまり頼らなくてもいい家にすることができます。
それは数字で評価しにくい快適性なのですが、住み心地という温熱環境にとっては、この部分もとても重要だと思います。
最終的には設計者の目指す方向によりますが、いずれにしても地域に合った省エネな家づくりとは?を見直してみましょう。

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男
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2013年02月08日

木の家スクール富山2012 外部研修

今回は、外部研修に行ってまいりました。
場所は、金沢工業大学やつかほリサーチキャンパス内にある地域防災環境科学研究所です。講師は、同大学の教授である後藤正美先生。
外部研修は、実験の見学および後藤先生の講義を聞くという内容です。
緑の列島ネットワークが事務局としてお手伝いさせていただいている「伝統的工法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」の実験もここで行われています。
今年も、その実験の一部を見学させていただくことになりました。今回見学させていただく実験は、背の高い土壁の面内せん断実験です。
まずは、後藤先生から実験の説明。

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上記の委員会で、以前から土壁の実験はたくさん行われてきたが、今回の実験は一般的な高さの壁でなく背の高い壁。
一般的な耐力壁実験の高さは2700mmですが、この実験の壁高さは4045mmというとても高い壁です。
これだけ壁の高さが高くなると、耐力は強くなるのか弱くなるのか?
実験を開始する前に、場所を移動して後藤先生の講義から。

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伝統木造は地震に弱いのか?・・・太古の時代から培われてきた木造技術と題して。
五重の塔から一般的な民家まで伝統的な木造建物の耐震性能について、また委員会の実験で分かってきたことなど、分かりやすく解説していただきました。
実験室に戻っていよいよ実験の開始です。

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土壁という耐力要素ですから、粘り強いということは皆さんご存知でしょうが、大きく傾く壁を見てそれを実感しておられたようです。
肝心の背が高いという点での結果は・・・、一般的な高さの壁と比べて少し耐力は下がるもののわずかな差であり、これだけ高くなってもほぼ同じと言って良いという結果となりました。
背が高いぶん傾く量も多くなりますので、最終的には試験機がこれ以上押せなくなるまで傾いて実験終了。
土壁が割れながら力を吸収し、木と木(柱と横架材・柱と貫)がめりこみながら粘っている様子がよく分かった実験でした。
実験を見学することによって、耐力要素のどこがどうなるかを観察し、設計に役立てていただければと思います。

木の家スクール富山では、昨年度までは全講義を受講しないと外部研修に参加できなかったのですが、今年度からは外部研修のみの受講も可能としました。
こういう実験を見学されたい方は、ぜひどうぞ。
では、来年の外部研修(実験見学)をお楽しみに!

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男
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2012年12月21日

木の家スクール富山2012 第3回

緑の列島木の家スクール富山2012、第3回の講義を開催しました。
今回は、第2回と同じく木構造の講義で、木構造レベルアップ講座U。
講師は、山辺構造設計事務所の山辺豊彦先生です。
山辺先生と言えば、先生が書かれた「ヤマベの木構造」ですよね。建築実務者の多くの方が、この本を知っておられるのではないでしょうか。
第2回の講義時に、次回は山辺先生の講義なので「ヤマベの木構造」を持っておられる方は持参して下さいと案内した際に、持っておられる方に手を挙げてもらいました。
その結果、40数名のうち約半分もの方が、この本を持っておられました。

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実務者が書いた実務者のための木構造の解説本ですので、分かりやすいと評判です。
また、何かを調べようと思ってこの本を見た時に資料やデータがすべて揃っている、つまりこの本1冊あれば分かるという点が特徴ですね。
この分かりやすい本をテキストにして、分かりやすく教えて下さいます。木構造の講義に全国あちこち飛び回っておられる山辺先生です。
この本が出版されるだいぶ以前の話ですが、富山ではスクールを開催した初年度から山辺先生に来て頂いていました。
ある年の講義の直後に私の所に山辺先生から電話があり、建築知識に木構造の連載を書くことになったんだけど、何から書いたら良いかねと相談がありました。
私は、意匠設計者は普段あまり構造のことを意識していないので、構造計算などする以前に力の流れ方が分からないと、理解できないのでは?と話をしました。
ということで、建築知識の連載やヤマベの木構造の最初の方には、力の流れが解説されています。
久しぶりに富山のスクールに来て頂いて、そんなことを思い出しておりました。

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今回の講義とは違う話で長くなりましたが、講義では木構造の一通りのことを講義していただきました。
ここでは、一つだけ。
一時四号特例廃止という話が出ておりましたが、今でも実施はされていません。
されていないにしても、設計者としては基準法のみのチェックではなく、+αの検討をするべきである。
基準法のみとは、仕様規定に基づいた設計および壁量の確保・壁配置のバランス・柱頭柱脚の接合方法を確認すること。
そして+αとは、横架材の断面設計・水平構面・地盤基礎まできちんと考えること。
山辺先生の分かりやすい講義に、受講生の皆さんは身を乗り出して聞いていらっしゃいました。
時間も30分延長して話をしていただいたのですが、終わった後でもっと聞きたかったという声が多かった今回の講義でした。

緑の列島木の家スクール富山事務局 草野鉄男

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2012年11月16日

木の家スクール富山2012 第2回

緑の列島木の家スクール富山、2012年度の第2回講義を開催しました。
今回は、木構造レベルアップ講座T。
講師は、富山大学芸術文化学部学部長の秦正徳先生。専門分野は、木質構造学(木造建築物の構造計算)です。
秦先生には、木造の構造計算の基本として、計算でどんなことをチェックしているのかなど、話をしていただきました。
具体的に書くと長くなりますので、内容のキーワードをご紹介したいと思います。

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前半の講義では。
部材つまり木材の壊れ方・・・曲げ破壊、せん断破壊、支圧応力破壊、ねじり、たわみ。
こういう壊れ方をしないように、計算で確かめる。・・・断面係数、断面2次モーメント、ヤング係数など。
床のたわみは、どうして1/300になったか?
構造物の破壊防止・・・筋交い、パネル(面材)、ラーメン(剛接合)。ただし、木造は剛接合にならない。
鉛直荷重抵抗システム・・・めりこみ、柱の座屈、構造座屈。
鉛直荷重に対しては、柱が座屈するか横架材の圧縮で終局するかを見極めるのが重要である。
水平荷重抵抗システム・・・構面の抵抗モーメント、開口部のある構面、柱脚の引き抜け。
パネル構面の耐力の足し算を成り立たせるには、それぞれの構面をきちんとつくる。
木造建築でのスパン・・・製材の横架材ならば4mスパンまで。
それより大きなスパンが要求される場合には、実験による検証結果を用いて構造設計をする。
その実例として、秦先生が構造設計された建物を紹介していただきました。
おわらで有名な八尾町にある、福島1区コミュニティセンター。
この建物では、地域に伝承された大工技術を活かすため金物を使わずに、約8mスパンの架構を実現。斜材のあるトラスではないので、見た目も伝統的な建物になじんでいる。
雪がたくさん積もった時のたわみ量は・・・計算通りだったそうです。

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後半の講義は。
近年の振動実験による限界耐力計算の話。
限界耐力計算というと、非常に難しい内容なのですが、その考え方や理論を分かりやすく解説していただきました。
今までは、弾性域での評価ばかりだったが、塑性域の部分も評価する。
限界耐力計算・・・質量の把握、減衰定数の把握、復元力特性の把握。
固有周期・・・その建物が地震でどうふるまうのか?
強さだけでなく、減衰(構造のエネルギー吸収)を見積もることにより、変形性能の高い伝統構法による木造建築物も評価できるようになった。
最後に。
木造建築の素晴らしさ・・・形態の多様性、理想循環系が作れる、長期耐用できる。
この理想循環系の部分に、木材を使う・木造にする意味、それを持続させる意味がある。

今回は、構造計算を普段しておられない方にとっては少し難しい部分もあったようですが、分かりやすい言葉で話をしていただいた秦先生の講義でした。
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2012年10月24日

木の家スクール富山2012 第1回

緑の列島木の家スクール2012、開講いたしました。
10月20日、第1回の講義を開催し、今年も富山だけでなく石川・福井・新潟と、遠方から熱心な実務者が集まってくれました。
講師としてお招きしたのは、東京大学名誉教授の有馬孝禮先生です。木材・木質構造の他にも、山・森林まで含めた循環型社会のあり方など分かりやすく教えて下さいます。今回は「なぜ、いま木の建築なのか。」と題して、講義をして頂きました。

講義の前半は、国産材利用促進の法律ができていく中で、山・林業も含めた目標・目指す方向のお話。
上記の法律として「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」、つい最近では「都市の低炭素化の促進に関する法律」がある。
低炭素社会という言葉の意図は、低二酸化炭素社会と高炭素貯蔵である。化石燃料から出る二酸化炭素の排出抑制が低二酸化炭素化であり、森林に固定される炭素、それを木造建築などに健全な姿で維持されることによる木材資源を保存する炭素貯蔵庫になる。
ただ、都市の木造建築化や木材利用だけでなく、その生産の場である森林のことも考えなくてはいけない。
一方、山・林業を見ると、我が国の森林の年間成長量は3%、伐採量は1%なので、木材資源蓄積量は増加している。
それを支えているのは、手入れされている森林すなわち林業活動がなされている森林であり、そのほとんどがスギ・ヒノキなどの人工林。この林業活動を支えるためには、都市側の各分野で国産材をどれだけ利用し、山に資金を還元するかにかかっている。

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炭素貯蔵面では、木質材料・木製品の製造時炭素放出量に比較して貯蔵量が大きいので、その耐用年数は森林の成長期間にゆとりを持たせると共に都市の炭素貯蔵を意味する。
上記のように、人工造林木によって資源が増加しているのだが、問題はその内訳であり、人工林の樹齢の割合が40〜50年生が多く、若い層が極端に少ない。
山が循環資源であるためには、若い層が多くあって健全なのであり、伐採更新しない限りは循環資源として機能しない。若い層を増やす平準化の努力が重要。
我が国には、先人たちの努力によって蓄積された木材資源を有しているので、それを生かして次の世代に資源を更新・持続させるべき時期にきた。
それには「身近なところで木材を」「木材で出来るところは木材で」「国産材独自の魅力」との連携を粘り強くやることである。
後半は、実務者が知っていなければいけない木の性質など、主に木材の話。
木の密度は、晩材は早材の10倍ほどの密度がある。一般的に密度が高い=重い。
木の真比重は1.5であり、密度/1.5=実質率。1−実質率=空隙率。スギは約8割が空気。
密度の強度の関係は、密度が高い=強度が強い。
スギの強度は、一般的にベイマツより一段階弱いと言われているが、木材の基準強度で見てみると、無等級材ではスギはベイマツより低い数字だが、JAS材の目視や機械式等級区分によっては、ベイマツよりもスギの方が高い数字になる。
マツやヒノキは、ヤング係数が小さいと強度も低いのだが、スギの場合はマツやヒノキに比べてヤング係数が小さい傾向はあるが、ヤング係数が小さくても強度が高い材料なのである。
比重と熱伝導率の関係は、比重が軽いと熱伝導率が低い。だから、スギは温かい。

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他にも、芯持ち材と芯去り材ではどちらが強いのか?、割れた材料は、強度が落ちているのか?
木の乾燥とクリープの関係で、その材料(乾き具合)によってどう使えば良いのか?
含水率の求め方を勘違いしている人が多い。平衡含水率とは? 床や内装の材料が違うと、作業に影響が出る・消費電力が減る、・・・などなど。
有馬先生のお話は、まだまだ聞きたかったという講義でした。
全部書くと長くなりますので抜粋しましたが、特に木材の話の部分は、受講生のみなさま一生懸命メモを取っておられました。
今の実務者の多くは、学校ではコンクリートや鉄骨が主で、木や木造のことをほとんど学んでいません。
コンクリートや鉄など工業製品はどこでも同じ物が手に入りますが、自然素材の木はさまざまであり、それを適材適所に正しく使わなければ意味がありません。
木・木造に携わる実務者は、山のことまで視野に入れ、木のことを正しく学び直し、それを一般消費者に伝えていく努力が重要です。
一方、前半の話は一般消費者の方々も知って頂きたい話ですので、改めてもっと分かりやすく書こうと思います。

木の家スクール富山2012は来年の3月まで、残り4回の講義と外部研修(実験見学)を行います。
また、ご報告いたします。
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2012年03月14日

緑の列島 木の家スクール富山 第5回

先日、緑の列島木の家スクール富山第5回を開催しました。
2011年度は、昨年の10月から初めてあっという間に第5回、最終回です。
今回は、お二人の講師をお招きして2つの講義。
1つは、こだわりの大工さんの実践例として滋賀県にある宮内建築の宮内寿和棟梁。
もう一つは、山と木の話と題して林材ライターの赤堀楠雄先生。

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1つ目の宮内棟梁(1枚目の写真)のこだわりの実践例とは、工法と木材の乾燥方法です。
工法とは、板倉の家にしたい・石場建てにしたい・金物を使いたくない、というお客様の要望から考え出された挟み梁工法。
構造材として4寸角しか使わないので、細い間伐材でもつくることができるのです。
木材の乾燥方法とは、天然乾燥。天然乾燥と言っても、水につけてから自然乾燥させる水中乾燥。
木は、いったん水につけると内部の水分が抜けやすくなり、全体的にバランスよく乾く。また、そのあと木が割れにくいのが特徴。
1年間水につけておいて、そのあと1年間自然乾燥と、2年の歳月をかけるのでゆっくり時間をかけて乾かすことで、割れにくくなるのだそうです。
琵琶湖のある滋賀県ならではの乾燥方法です。
2枚目の写真は、挟み梁工法の家の模型を受講生の方々が興味深く見ているところ。

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もう一つの講義は、赤堀先生(3枚目の写真)の山と木の話。
山の話とは、林業のこと。外材に頼り過ぎた日本は、木材の自給率が過去最低(18.2%)を記録したのは2000年。
それ以前から、山と環境のことが問われていたので、最近では自給率30%近くまで伸びてきています。
しかし丸太の価格は下がる一方で、経費(伐採・製材など)は変わらずに、立木価格(森林所有者の収入)ばかり減っているのが現状。
こうなると、森林所有者による林業経営から森林組合・製材所などのマネジメント林業へと移行していく。
結果、木の付加価値を見出すことや手の込んだ森づくりが行われない、粗放的な森林経営になってしまう。
そうならないように、「木の良さ」を活かした利用を創出し、林業が継続・受け継がれるような経営を目指すべきである。
木の話は、木材の品質について。その中でも、人工乾燥による強度の問題・劣化の問題について話をしていただきました。
まとめとして、山(林業)のことまで考えた家づくりをするには、川上から川下までの幅広い知識・木に関する知識など一段上のスキルを身につけてユーザーに訴えていかなければならない。

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その役目を私たち実務者(設計者・施工者・大工・林業関係者)は担っています。
これこそが、このスクールを開催している一番の目的なのです。
今年度、緑の列島木の家スクール富山の受講生の内訳は、設計者50%・施工者40%・大工10%。林業関係者としては、材木屋さんが1人。(以前に何年間か開催していたスクールでは、林業関係者0人。)
この傾向は富山だけではありませんが、少し寂しいですね。(今回来てくれた宮内棟梁は、大工さんももっと勉強を・・・。)
日本の山の木でつくる木の家(=環境に優しい・山の再活性化・健康に暮らせる家)が少しでも増えるよう、多くの実務者みんなで訴えていきましょう。
今年度はこれで終了ですが、緑の列島木の家スクール富山だけでなく木の家スクール名古屋も、この勉強会を続けていきますので、来年度もまたよろしくお願します。
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2012年02月28日

緑の列島 木の家スクール富山 第4回

今日は、緑の列島木の家スクール富山の話題。このスクール、早くも4回目です。
今回の講義は、木構造レベルアップ講座Uとして、木造軸組構法構造計画の基本編と伝統的構法の木造住宅に関する講義。講師は、工学院大学建築学部建築学科教授河合直人先生にお願いしました。
構造の話は難しいので、ここでは先生から解説のあった東日本大震災による被害について書こうと思います。
この地震では、津波による被害が大きかったのでそういう映像が多いですが、その他の被害も含めて全体としてどうだったのでしょうか。
まずは、先生による東日本大震災の被害のまとめは下記の通りです。

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震度7あった地域でも割と地震の揺れによる被害は、阪神大震災に比べると少ない。
木造建築物は、長い周期(1〜2秒)の揺れに弱いが、この地震は短い周期であったため被害が少ない。(阪神大震災は長い周期)
ただし、一部の地域で被害が大きいところもあった。それは、地盤が悪いために周期が長くなっている地域である。
東日本大震災における木造建築の被害のまとめ。まずは、地震動による震動被害は・・・。
被害は広範囲にわたり、被害形態も建物の種類・地域性・地震動の特性により極めて多様。
被害原因を大別すると、上部構造の震動被害と地盤変状に伴う被害に分けられる。
住宅の倒壊や大破などの甚大な被害は、北関東から東北の広い地域に点在。河川の流域など軟弱な地盤で、耐震要素の少ない建物が倒壊・大破に至っている。
地盤がらみの被害は、傾斜地、特に宅地造成地における地滑りや擁壁の破壊に伴う住宅等の倒壊や大破と砂質地盤の液状化に伴う上部構造の全体傾斜や沈下が目立つ。

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次に、津波による被害は・・・。
津波外力により被害形態は異なる。
大きな津波に対して建築物の対策は限界がある。
しかし、浸水5m程度なら、耐震的に造られた木造建築物で原形を保っている例は多く見られた。
大きな構造物等の下流では残る可能性が高い。一方、衝突物に対する対策は困難。
人命の確保を考えると、まずは避難対策。次に津波外力を抑える手立て、そして(ある程度までの津波外力であれば)建築物が破壊されないような耐対津波設計が必要。

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先生のお話の中で特筆すべきは、地震の周期による被害の違いです。
このブログの地震の話でも書いていますが、被害の大小は震度の数字よりも、加速度と周期が大きく影響します。
地震波そのものが建物に大きく影響のある波では、どうしても被害が大きくなります。
地震波の周期が短ければ建物への影響が少ないのですが、地盤が悪いと揺れが増幅されて周期が長くなってしまうのです。
こういう意味で、地盤が良くない地域に建っている建物は、より耐震性能を上げておく必要があるということです。

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次に、伝統的構法の木造住宅に関する講義では、伝統的木造住宅の地震時挙動と題して、E−ディフェンス・その他で行われた実験の話を聞かせていただきました。
その実験とは、緑の列島ネットワークがお手伝いをしている「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」で行っているものです。(河合先生も、この委員会のメンバーのお一人)
伝統的木造住宅の震動台実験(2008年)、軸組のみの静的加力実験(2009年)、「垂れ壁+柱」の震動実験、石場建ての柱脚滑りについて、伝統的木造住宅の震動台実験(2011年)、これらの実験に関して結果概要など解説をしていただきました。
この内容に関しましては割愛させていただきますが、緑の列島ネットワークのHP内にある委員会のHPでも実験の報告(画像・動画)を見ることができますので、興味のある方はどうぞ。
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2011年12月13日

緑の列島 木の家スクール富山 第3回

先日、緑の列島木の家スクール富山第3回を開催しました。
前回は、金沢工業大学に行って実験の見学をしてきた外部研修の様子を紹介しましたが、今回はまたいつもの会場での講義です。
今回は、住環境に関する講義をしていただきました。講師は、以前のスクールでも来ていただいていた野池政宏先生です。
野池先生は、住まいと環境社代表であり、岐阜県立森林文化アカデミー非常勤講師や自立循環型住宅研究会の主宰をしていらっしゃいます。
今回は、「省エネルギー住宅の設計法」と題して講義をしていただき内容は、温熱指標の意味やパッシブデザイン、そして省エネ住宅の評価に関するお話でした。
難しい話、特に温熱指標ではややこしそうな名前・数値がいっぱい出てきますのでその辺は割愛させていただいて、パッシブデザインのことについて書きたいと思います。

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パッシブデザインとは、自然エネルギーを最大限に活用して、住宅で使うエネルギー(冷暖房・照明など)を減らせるような建物をつくることです。
太陽を取り入れる昼光利用つまり明るい家は、照明や冬の暖房エネルギーを減らします。同じ太陽でも夏に直射日光が入ると暑いので、日射遮蔽することにより冷房エネルギーを削減できます。
建物の軒の出や庇が、これを解決してくれます。軒や庇が出ていると、夏には良いようでも冬には邪魔になりそうに思いますが、そうではありません。夏と冬で、太陽高度が違うからです。
軒の出・庇があることによって夏の直射日光を遮ってくれ、冬は太陽が低くなるので軒の出・庇があっても部屋に陽射しが入ってくれるというわけです。
これに関しては、昔の家が長年の知恵・工夫でちゃんとそうなっていますよね。逆に今の家は、軒・庇のない箱の家が流行っています。
自然風を入れるつまり風通しの良い家は、分かりやすいですよね。これも昔の家は、戸が多かったのでその戸を開け放すと、家の中を風が通り抜けていきます。
今の家は壁が多いので、窓の取り方などをちゃんと考えないと、風通しの悪い家になりがちです。夏の風向きも考えて、エアコンにあまり頼らなくてもよい家にしたいものです。

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自然(太陽・風)を取り込むという点に関しては、新しい考え方ではなくむしろ昔の家に学ぶべきなのです。気候風土に合う自然と共生する家づくりだったからです。
ただ、冬の暖房という意味では、昔の家は確かに寒かったです。戸が多くて隙間だらけでした(その隙間が自然換気という良い意味もありますが)し、昔なので暖房器具もありませんので。
今は、いろいろな暖房器具があるというもの、資源の問題もそうですし、特に3月11日以降、より省エネ・節電を考えなくてはいけなくなりました。
暖房エネルギーを減らすには、断熱性能が重要です。その断熱とは、開口部(窓・ガラス)の性能と、断熱材(床・壁天・井)の性能です。
ただ注意しなければいけないのは、断熱性能を上げると逃げていく熱が少なくなりますから冬の暖房には効果がありますが、夏に家の中が熱くなるとなかなか涼しくなりません。
その辺のバランスを考えて性能を決めないといけない、ということです。

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省エネという面では、発電や給湯をしてくれる太陽熱利用もあります。どちらかというと、まずは太陽光発電をという流れが一般的になっているようですが、太陽光発電は本当にお得なのでしょうか? 
電気代が、タダになるか安くなるのはとてもお得そうに聞こえるのですが、やはり設備投資費が非常に高価であることもそうですし、30年ほどすると取り換えしなくてはいけないといういことも考慮しておく必要があります。
長いスパン(30年・60年)で考えてみると、太陽光発電は上記のように設備にコストがかかるのに対して、パッシブデザインの家(新築もリフォームも)は一度つくるとずっとその性能のままなので、結果こちらの方が安く上がる計算になります。
また、太陽光発電では電気代がどうのこうので快適性とは関係ありませんが、パッシブデザインの方は住み心地の快適性も得られるのです。
パッシブデザインと太陽光発電まで一緒にやればより省エネにはなりますが、優先順位としてまずはパッシブデザインの家にするというのが良いそうです。
あとは、住まいの中で高効率な家電製品を使う、家族で無駄な電気を使わない生活を心がけることも大事ですね。
受講生の皆さん、いつも以上に一生懸命メモをとっておられたのが印象的な講義でした。

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2011年12月06日

緑の列島 木の家スクール富山 外部研修

緑の列島木の家スクール富山で、外部研修を行いました。今年度の外部研修は実験見学にしました。
場所は、金沢工業大学の地域防災環境科学研究所。実験及び講義をお願いしたのは、同大学の教授後藤正美先生です。
このブログでもお伝えしている「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」で実験を行っていますが、金沢工業大学でも行われているのです。
特に今年は、構造要素の実験をたくさん行っていますので、その実験を木の家スクール富山の外部研修に取り入れさせていただいた次第です。
今回見学させていただいた実験は、耐力壁の実験です。その壁とは、岐阜県飛騨地方の民家や倉庫に多く見られる板張りの壁です。

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まず最初に見学させていただいた試験体1(写真1枚目)は、板の張られていない状態の壁。柱と柱の間に横方向にある材を通し貫と言います。それに対して直行して打ち付けてあるのは、これは壁材を張るための下地です。
写真を見てお分かりのように、かなり傾いていますね。これだけ傾いても耐えている、粘り強いということです。
試験体1の実験が終わると、それを解体してどこが傷んでいるかを調べる損傷観察をしました。(写真2枚目)

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実験の途中から見えていたのは、通し貫が割れが入りましたが、解体してみて分かったのは柱のホゾが折れていたことなどです。こういう風に、どこが壊れるかを見ることもとても重要なのです。
この試験体の柱は、人工乾燥材された材料だったので、脆い壊れ方をしていました。
人工乾燥材は、外だけ見ると何の問題もなさそうなのですが、内部割れという木の中で脆くなるという傾向があります。ですから、粘り強さを求めるのであれば天然乾燥材の構造材の方が良いです。

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次に、研修室へ移動して後藤先生の講義。(写真3枚目)
こういう風に実験をして、どのように壁倍率が決まるのか、また耐力壁の考え方の話をしていただきました。
また実験室に戻って、今度は試験体2の見学。(写真4枚目)

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試験体2は、1の壁に板を張ったものです。こちらが実際の板壁の状態になります。試験体1の通し貫だけに対して、板を張った試験体2はどの位強くなるのか・・・。
写真5枚目は、試験体2の実験が終わった状態です。結果としては、試験体1より2の方が約2倍の強さとなりました。
写真1枚目も5枚目もどちらも大きく傾いていますが、この状態で約40cmも傾いています。これだけ傾いても、踏ん張っているということです。

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伝統的な民家の壁実験はなかなか見ることができませんので、見学された受講生の皆さん(設計者・施工者・大工さん)は、どう感じられたでしょうか。
こういう実験が行われるようになったことは、とても大きな意味を持っています。
今私たちは、環境・日本の山のことも考えた、長寿命な家づくりをしていかなければなりません。
そういう意味も含めて、とても良い勉強になった実験見学となりました。
消費者の方々も、日本の気候風土に合った家のつくり方を今一度、見直してみませんか。
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2011年11月15日

緑の列島 木の家スクール富山 第2回

今日は、緑の列島木の家スクール富山の話題です。先月から始まり、2回目の講義を開催しました。今回は、建築と家具のコラボレーションです。
昔は、建築の設計の中に家具の設計も含まれていました。建築設計者は、家具の設計者でもあったのです。家具屋さんというものができてから、建築の設計と家具のデザイナーが別々になったと言ってもいいでしょう。
仕事として、一緒の方が良いか違う方が良いかは別として、家のデザインにふさわしい(家にマッチした)家具にしたいものですよね。
デザイン以外の面でも、せっかく本物の木を使って家を建てたのに、家具屋さんで買った家具が、集成材であったりもっと極端に樹脂や金属が多いと・・・、ですね。
そうならないように、家具もなるべく本物の木を使って、家を建ててくれる大工さんにつくってもらうのが理想的です。

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そういう家づくりをしてもらいたいという意味で、富山大学の丸谷芳正先生に「針葉樹を活かす家具設計法」と題して講義をしていただきました。(1枚目の写真)
一般的には、針葉樹は柔らかいので家具には向かないとして、広葉樹を素材として使われることが多いです。
しかし日本の山の現状では、広葉樹の安定供給は難しくなっていて、輸入に頼っています。逆に、戦後造林した針葉樹が伐期を迎えていること、間伐材の有効利用も含めて針葉樹を使う家具を再考するべきなのです。
昔の民家に置いてある家具を調べてみると、必ずしも広葉樹ばかりでなく、針葉樹でつくってあるのも結構ある。のだそうです。

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2枚目の写真は、講義の間の休憩時間に丸谷先生がつくられた机・椅子をみんなで見ているところです。
手前に置いてある椅子もなかなか良いですよね。色も綺麗ですし。
広葉樹でつくってある家具に比べると、触った瞬間に柔らかい感じが分かりますし、温もりがあります。
ただし、すわり心地の良い椅子となると、家具設計としては難しい分野であり、設計もそうですが大工さんの木を扱うつくり方では簡単にはつくれません。(本棚や机なら良いですが、私もベンチ程度なら大工さんにつくってもらっています。)
建築設計としては、建築家の松井郁夫先生に「木組でつくる日本の家」と題して講義をしていただきました。(3枚目の写真)

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松井先生は、以前のスクールのときから来ていただいていますが、昔に学ぶ家づくりが大事でであるとおっしゃっています。構造的な面だけでなく、伝統民家にある先人の知恵・工夫なども含めて、です。
私たちの世代は、木造建築の教育は受けていないので、一般の設計者・施工者は木造住宅をつくりながらも、伝統民家のことを知らない人が多い。もっと、日本の民家に学ぶべきだと講義をしていただきました。
家具も建築も、昔に学ぶべきことは多いようです。
この講義を受講しておられる設計者・施工者・大工さんもそうですし、一般消費者の方も改めて、日本の文化・山そして地球環境のことまで考えた伝統的な民家の良さを見直してみませんか。
構造面や木のことなど建築の方は、このブログでもよく書いていますので、家具の方を少し多めに書いてみました。
家具にも本物の木を使うことによって、日本の山の木をより多く使ってあげましょう。
posted by kusano at 16:58| Comment(0) | 緑の列島木の家スクール富山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月18日

緑の列島 木の家スクール富山 第1回

緑の列島木の家スクール富山2011年度が、開講しました。10月15日に、1回目の講義を行いました。
「近くの山の木(国産材)で家をつくる運動」をスローガンとする、NPO法人緑の列島ネットワークという団体があります。その活動の一つとして、よりよい木の家をつくるための勉強会を開催しているのです。
私が、その富山事務局を担当させていただいております。

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以前にも、緑の列島ネットワークと共に勉強会を開催していたのですが、富山ではここ数年間休止していました。
ここ最近、また勉強会を行ってほしいという声も上がり、今年度より再会することになった次第です。
木の家スクール名古屋、木の家スクール富山、近山スクール東京と3ヶ所で開催する勉強会です。
対象者は、設計者・施工者・大工さん・林業関係者・学生さんなどで、一般消費者の方も受講可能なのですが、内容としては少し難しいと思います。
2011年10月から来年3月まで、5回の講義と外部研修(実験見学)が行われます。
今年度は、勉強熱心な方々がたくさん申込みをしていただき、富山県はもちろん、石川県・新潟県から来ていただいている方もいらっしゃいます。

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今回の第1回講義は、木構造ステップアップ講座Tとして、東京大学大学院准教授の稲山正弘先生を講師にお招きし、木造軸組工法の許容応力度設計法による構造設計の話をして頂きました。
許容応力度計算というといわゆる構造計算なのですが、一般的な木造住宅(2階建以下、その他高さや面積の条件などあり)であれば構造計算の必要はありません。
しかし、構造計算の必要があるかないか、あるいは構造計算をするかしないかの以前に、木造の構造を理解しているかどうかが重要だと思います。つまり、その理屈を分かって設計しているかどうかということです。
そのためには、こういう設計法の基本や概要を理解する、計算(公式)から読み解く知識も必要です。
そういう意味で、許容応力度設計の設計法やその実例として、稲山先生の解説と作品(実例)を見せて頂きながらそれを学びました。

ちなみに、このスクールは5回全部受講する形式と、希望講義のみ受講することもできます。
全部受講する形式は締め切りましたが、希望講義のみの受講はまだ若干名受付しておりますので、ご希望の方はどうぞ。

今日の内容は、緑の列島木の家スクール富山事務局からの記事でした。
posted by kusano at 18:31| Comment(0) | 緑の列島木の家スクール富山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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