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2014年03月11日

暖房の室温分布

暖房は20℃で、と言いますがどう思われますか?
20℃では寒いと言う人もいれば、20℃あれば暖かいと言う人もいるでしょう。それは、暖房方式・器具によって暖かさの感じ方が違うからです。
温風で空気を暖めるのは、エアコンやファンヒーター。空気ではなく身体や物を暖める輻射熱暖房は、床暖房や薪ストーブがあります。
温風の暖房は、暖かい空気が軽いため上にいってしまうことは誰でも知っていますし、頭(上)の方ばかり暖かくて足(下)が寒いことも誰でも経験しています。
それに対して輻射熱暖房で、薪ストーブはその本体から強力な輻射熱を出して下と上で多少温度差ができますが、床暖房の場合ほとんど温度差がありません。(この床暖房は低温水式の床暖房です。)
床面が一番暖かくて、その少し上で少し温度が下がり、それより上は天井までほぼ同じ温度です。いわゆる頭寒足熱の状態なのです。

s-DSCP1112.jpg

わが家のリビングの室温を計測してみました。1枚目の写真に温度計が2個並んでいますが、右の温度計の上が外気温です。下の温度は、この温度計が置いてある(床上80cm)リビングの室温です。
左の温度計で表示しているのは、リビングの天井の一番高い所(床上370cm)に置いてあるセンサーの温度です。(そのセンサーが2枚目の写真。)

s-DSCP1118.jpg

3mも高さが違うのですが、室温差はわずかに0.8℃しかありません。これでも、まだ温度差がある方です。
この写真を撮ったのは夕方で、既にこの横のキッチンで調理が始まっていましたので、調理の熱が上に上がった分が含まれています。通常の温度差は、0.3〜0.5℃ほどです。
ところで、肝心の床の温度はどうでしょうか?

s-DSCP1115.jpg

それが、3枚目の写真です。ご覧のように、22℃となっています。
上記のように、床上の温度が一番高くそれより上は少し下がってあとはほぼ同じ温度という室温分布になるというのが床暖房の特徴です。(これが吹抜けの6mになっても同じなのです。)
こういう室温分布であれば、誰でも20℃あれば暖かいと言います。

s-DSCP1227.jpg

参考までに、4枚目の写真はエアコンのみで暖房をしている部屋の温度です。(富山でエアコンだけで暖房している家はほとんどないので、町内の公民館で測定しました。)
床上70cmで22.8℃、床のすぐ上で17.3℃とたった70cmで5.5℃も温度差があります。温度計では22.8℃あっても足元が寒いため、まだ少し寒いということになります。
暖房の暖かさなど温熱環境を数字で見る場合は、部屋の1ケ所の室温だけを計っていてはダメで、このように数カ所計ってみないと分からないということです。
1ケ所だけの測定で暖かさを見ていては、エアコンの部屋は22.8℃でとても暖かくて、床暖房の場合は(エアコンの温度感覚でみると)20℃なので少し寒いのでは?という判断になってしまいます。
実際の体感温度では、この他にも風があるかないかと湿度の関係もあります。輻射熱暖房の場合は、風がない暖かさであるというのも温風暖房との違いです。湿度は、1枚目の写真の左に30%となっていますがこの湿度計は低めに出ます。実際はもう少し湿度があります。
体感温度以外の面で、湿度は乾燥しすぎやその反対の結露と関係します。暖かさを優先するのか、結露させないことを優先するのかによっても、温湿度管理が違ってきます。バランスよく考えましょう。
わが家の場合は、この温度計で19.5℃あれば十分です。
数字だけ言うと、それは我慢しているのではないか?と思われてしましますが、実際には上記のように部屋の低い所が暖かいからなのです。

先日、知り合いの方がうちは寒いのを諦めているという話を聞きました。(建てて10年位の家) 吹抜けなので寒くLDKの一部をカーテンで仕切り、そこでファンヒーターで何とか冬を過ごすのだそうです。
吹抜けなら床暖房・・・と思ったら、床暖房は設置してあるけれども電気式のため電気代がとても高いので使っておられないのだそうです。電気式もいろいろですが、以前のものでより高いのだと思われます。

住み心地の良い家にするためには、間取りとデザインだけでなく断熱・暖房方式まで考えるのはもちろん、住んでからの工夫も含めてより暖かく暮らせることができますし光熱費も安くすることができます。
前に住んでいた家ではとても寒かったのですが、新しいわが家ではおかげさまでとても暖かい生活をしています。

この続編として、家全体の温度分布を見た記事( 暖房の室温分布 その2 )を書いています。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 18:25| Comment(0) | 木の家の住み心地を検証する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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