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2012年03月14日

緑の列島 木の家スクール富山 第5回

先日、緑の列島木の家スクール富山第5回を開催しました。
2011年度は、昨年の10月から初めてあっという間に第5回、最終回です。
今回は、お二人の講師をお招きして2つの講義。
1つは、こだわりの大工さんの実践例として滋賀県にある宮内建築の宮内寿和棟梁。
もう一つは、山と木の話と題して林材ライターの赤堀楠雄先生。

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1つ目の宮内棟梁(1枚目の写真)のこだわりの実践例とは、工法と木材の乾燥方法です。
工法とは、板倉の家にしたい・石場建てにしたい・金物を使いたくない、というお客様の要望から考え出された挟み梁工法。
構造材として4寸角しか使わないので、細い間伐材でもつくることができるのです。
木材の乾燥方法とは、天然乾燥。天然乾燥と言っても、水につけてから自然乾燥させる水中乾燥。
木は、いったん水につけると内部の水分が抜けやすくなり、全体的にバランスよく乾く。また、そのあと木が割れにくいのが特徴。
1年間水につけておいて、そのあと1年間自然乾燥と、2年の歳月をかけるのでゆっくり時間をかけて乾かすことで、割れにくくなるのだそうです。
琵琶湖のある滋賀県ならではの乾燥方法です。
2枚目の写真は、挟み梁工法の家の模型を受講生の方々が興味深く見ているところ。

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もう一つの講義は、赤堀先生(3枚目の写真)の山と木の話。
山の話とは、林業のこと。外材に頼り過ぎた日本は、木材の自給率が過去最低(18.2%)を記録したのは2000年。
それ以前から、山と環境のことが問われていたので、最近では自給率30%近くまで伸びてきています。
しかし丸太の価格は下がる一方で、経費(伐採・製材など)は変わらずに、立木価格(森林所有者の収入)ばかり減っているのが現状。
こうなると、森林所有者による林業経営から森林組合・製材所などのマネジメント林業へと移行していく。
結果、木の付加価値を見出すことや手の込んだ森づくりが行われない、粗放的な森林経営になってしまう。
そうならないように、「木の良さ」を活かした利用を創出し、林業が継続・受け継がれるような経営を目指すべきである。
木の話は、木材の品質について。その中でも、人工乾燥による強度の問題・劣化の問題について話をしていただきました。
まとめとして、山(林業)のことまで考えた家づくりをするには、川上から川下までの幅広い知識・木に関する知識など一段上のスキルを身につけてユーザーに訴えていかなければならない。

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その役目を私たち実務者(設計者・施工者・大工・林業関係者)は担っています。
これこそが、このスクールを開催している一番の目的なのです。
今年度、緑の列島木の家スクール富山の受講生の内訳は、設計者50%・施工者40%・大工10%。林業関係者としては、材木屋さんが1人。(以前に何年間か開催していたスクールでは、林業関係者0人。)
この傾向は富山だけではありませんが、少し寂しいですね。(今回来てくれた宮内棟梁は、大工さんももっと勉強を・・・。)
日本の山の木でつくる木の家(=環境に優しい・山の再活性化・健康に暮らせる家)が少しでも増えるよう、多くの実務者みんなで訴えていきましょう。
今年度はこれで終了ですが、緑の列島木の家スクール富山だけでなく木の家スクール名古屋も、この勉強会を続けていきますので、来年度もまたよろしくお願します。
posted by kusano at 17:38| Comment(2) | 緑の列島木の家スクール富山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前略 初めてメールいたします。このサイトに掲載されていました木造建築模型に目が留まりまして、一つ質問がありますのでメールをお出しいたします。
この模型のスケールは幾つですか?今この模型は何処に展示されていますか?宜しければ作家さんのお名前を教えてください。
お忙しいと思いますが、お手すきの時でかまいません。ご連絡をお待ちしています。
Posted by 藤田 宏 at 2013年03月08日 09:16
藤田 様
コメント、ありがとうございます。
返事が大変遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
この模型の件なのですが。
作者は、この記事に出ている滋賀県の宮内建築の宮内寿和棟梁です。
どこかに展示というより、宮内建築さんに置いてあると思います。
実物をご覧になりたかったりご質問等あれば、宮内棟梁にメール又は連絡すると教えてくれると思います。
優しい棟梁ですから。
では、またたまにこのブログ覗きにいらして下さい。
Posted by 草野 at 2013年03月28日 16:27
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