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2011年01月25日

伝統的構法の実大振動台実験

1ヶ月ほど前に、構造要素実験(土壁の実験)が行われている様子をご報告しました。それは、家全体の構造の一要素としての壁の強度など性能を調べるための実験でした。
壁だけでなく床や接合部なども、そして柱梁の材料そのものの強度も調べた上で、家全体としてどうなるか検証実験が行われます。その実物大の振動台実験が行われましたので、見学に行ってまいりました。
実物大の振動台実験といえば、今まで何度かご紹介していますね。兵庫県三木市にあるE−ディフェンス(実大三次元震動破壊実験施設)です。

s-DSCN6134.jpg

写真の建物は、短辺方向4間(7.28m)×長辺方向6間(10.92m)、伝統的な構法で造られた総2階建ての家。
昔の家には基礎がなく、石の上に直接柱が建てられていました。それを石場建てというのですが、この建物もその石場建て構法の家の実験です。(同じ大きさで、基礎があって土台の上に柱を建てる構法の家の実験は、別の日に今回の実験に先立って行われました。)
1枚目の写真は、この建物の長辺方向に対して、人工の地震波で揺らしているところ。この写真では、建物が左右に揺れている状態です。ですから、長辺方向の壁が地震に対して抵抗することになります。(揺らしている最中に写した物ですが、さほど傾いていませんので分かりにくいですね。)
よく見ていただきますと、1階の壁に亀裂が入っています。亀裂が入り始めたところで、この後もう少し亀裂が入って揺れが終わったという感じでした。

s-DSCN6149.jpg

2枚目の写真は、今度は短辺方向に揺らしているところです。今度は、先ほどと直交する手前と奥の方向に揺れていますので、建物の短辺方向の壁が地震に抵抗します。(1枚目の写真よりも、傾いているのが分かりやすいかと思うのですがいかがでしょうか。)建物を斜めから見ていますが、短辺方向の1階の奥の壁に、先ほどよりも大きな亀裂が入っていますね。
実験では、方向別にも調べますので、こういう風に方向ごとに揺らしてみるということもするわけです。実際の地震の揺れは、一方向だけということはほとんどなく、短辺・長辺共そして上下方向にも揺れます。この実験のあとに、実際に起きた地震波(阪神大震災の神戸波の揺れ)で実験が行われました。
これら一連の「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験」検討委員会の2010年度の実験は終了です。ひき続き、2011〜2012年度まで実験が行われていく予定です。
古き良きものという観点でなく、日本の林業や環境問題に対する救世主、そして住まい手が健康で安全に暮らせる家として、その設計法が見出されることを期待するばかりです。
posted by kusano at 17:40| Comment(0) | 地震の話・地震情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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