PAGE TOP

2007年07月26日

伝統木造建物振動台実験の報告講演会

京都へ出張に行ってきました。タイトルにある講演会が開催されたからです。
以前に、兵庫県三木市にあるE−ディフェンスで、伝統木造建物振動台実験が行われ、それを見てきたという記事もご紹介しましたね。
この実験は昨年から準備が始まり、今年の1月から2月にかけて何回か振動実験が行われました。今回は、その実験結果の報告講演会だったのです。
もちろん、伝統的な木造建物だけでなく、現代的な工法の住宅の実験も行われていますよ。
こういう風に、実物大の木造建物を実験できるようになったおかげで、今まで分からなかった部分も少しづつではありますが、解明されてきております。
最近、地震が相次いでいますが、そのたびに古い木造住宅が大きな被害を受けると、伝統的な工法または在来(軸組)木造住宅は弱いと誤解されやすいのですが、決してそうではありません。
今回の報告講演会の内容だけでなく、木造建物として基本中の基本の話になりますが・・・。

FI2616371_1E.jpg"

伝統工法も現代工法も共通として言えるのは、工法そのものが弱いわけではなく、昔の家の間取りに壁が少ないことや、土台や柱の腐朽による老朽化などが原因で倒壊している建物がほとんどです。
そういう意味でも、まず第一に壁(耐力壁)量を多くし、平面的にも立体的にもバランスの良い木造建物にすることが重要です。家全体で同じ強度を持っていたとしても、バランスの悪い家の方が被害が大きくなりやすいです。
その次に、適材適所な木を正しく使い、正しく施工することにより、腐朽しない(しにくい)家のつくり方でなければなりません。適材適所でない木を使うこと、誤った施工をすることが、腐朽につながるからです。
木構造を良く理解する、木のことを良く知ることが必要です。(これは、設計者・施工者の話。)
ついでに、地震後に家が大丈夫だったように見えても、構造材(柱・梁)が見えない家では、異常が発見しにくいので注意が必要です。
それに比べると、柱・梁の見えている家は発見しやすいですから、木(本物の柱・梁)が見える家だと、こういう利点もありますね。
少し話はそれましたが、とにかく地震国の日本でありますから、こういう実験がどんどん行われていくことによって、大地震が来てもより安全な建物にし、安心して暮らせるようにしていかなければいけません。
私たちだけでなく、私たちの後世を守ってあげるためにも・・・。

FI2616371_2E.jpg"



posted by kusano at 17:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 地震の話・地震情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
テレビで古い家が壊れてるシーンを見る度に 誤解を招くのでは心配になりました。<BR>報道する側も考えてもらいたいと思います。<BR>
Posted by こうちゃん at 2007年07月26日 18:36
こうちゃんさん<BR>いつもありがとうございます。<BR>報道する側も、ひどい部分を強調したいですからね。<BR>結局、ただ何十年も経っているから壊れるのではなく。<BR>昔のほとんど壁がない家は、仕方ないのですが。<BR>適材適所の木を正しく使い、正しく施工する・・・ここが大事です。<BR>これがちゃんと出来ていて、本物の丈夫で長持ちする家なのです。<BR>同じ木でも使い方を誤ると、名ばかりの丈夫で長持ちになってしまいます。<BR>巷の現場では、腐りやすい板を平気で外壁に張ったりしているのが現状ですからね。<BR>また、ついつい長く・・・。<BR>では、またよろしくです。
Posted by 草野 at 2007年07月27日 15:06
こんにちは!<BR>私たちの町に地震がやって来て、その惨状はテレビでご覧になるとおりです。今回は木造建築ばかりでなく、鉄骨の耐震Sクラスとまで言われている建物も、内部は手を付けられないような有様でした。私自身仕事で彼方此方に呼ばれる中で、沢山のそうした建物をメモリーカードに収めなくてはなりませんでした。途中からは自己嫌悪になりそうでしたが、、。15年ほど前より当地柏崎では新築ブームでしす。中央のハウスメーカー・輸入住宅・高気密住宅、、、どれが良いのか消費者は悩む一方です。古くても壊れなかった家屋、何だか理解出来たような気がします。有難う御座いました。
Posted by マネージャの独り言 at 2007年07月27日 17:00
マネージャの独り言 さん<BR>いつもありがとうございます。<BR>そうなのですかー、鉄骨造の建物も。<BR>テレビで見ている分にはまだいいですが、現地で目の当たりにすると・・・、でしょうね。<BR>木造で言わせて頂くと、日本の気候風土にあった民家のつくり方を研究することもなく、外国の物まね好きな日本人が、その形・格好だけを見てつくった家。<BR>それが、日本の気候や暮らし方に合わず、いろいろな問題が・・・。<BR>ところで、地震の後も気をつけなければいけません。<BR>早く復興しなければいけないのですが、早かろう・安かろう・悪かろうの建物では、また同じことの繰り返しです。<BR>誠意ある建築のプロが、住まい手のことを考えてつくってくれることを願います。<BR>また、よろしくです。
Posted by 草野 at 2007年07月28日 09:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
ブログのトップページへ

草野鉄男建築工房のホームページへ
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。