PAGE TOP

2015年10月28日

家づくりに参加する(前編)

家を建てる際には、ぜひ家づくりに参加して下さい。
間取りや仕上げ・設備機器を決める打合せに参加するのは当たり前のことですが、それ以外にも製材所や大工さんの作業小屋、そして現場にもなるべく見学に行って下さいという意味です。

山に生えている木は、伐られる時点では既に60〜100年という長い年月を経ています。その木が製材・天然乾燥され、次に大工さんに墨付け・刻みをしてもらって、ようやく1軒の家が建ち上がります。できれば、そういう過程を見届けていただきたいのです。
つくり手(設計者・施工者)との打合せだけが家づくりではなく、製材所・大工さんの作業小屋・現場を見ていろいろなことを知ることも家づくりの一部なのです。
1軒の家が出来上がるのに必要な年月と、林業家・大工さんだけでなく他にも大勢の職人さんたちの尽力がある。そういう部分も知ることで、一生に一度の家に愛着をもって長く大事に使っていただきたいのです。
ブログで紹介している完成した家では、どのお客様にも家づくりに参加していただいていますが、ここでは「西公文名の家」のお客様が家づくりに参加された様子をご紹介いたします。現場報告でも一部ご紹介しましたが、それ以外の部分も含めてご覧いただきましょう。

s-IMG_6370w.jpg

1枚目の写真、山で行われた伐採ツアーに参加されました。
ここで伐った木が、この家に使われるわけではありません。伐ってすぐに製材・人工乾燥するやり方であれば可能ですが、木が持つ本来の良さを活かす葉枯らし乾燥・天然乾燥をするやり方では伐採から乾燥を終えるまでに月日がかかるからです。
写真は太い木を伐採しているところですが、伐られた断面を見ると年輪が数えきれない位あって何十年もかかって育ったことが分かります。家は、木が育った年数以上に使わなくてはいけませんね。

s-DSCP1881w.jpg

2枚目の写真、山から(林業家が手塩にかけて育てた)娘さんが嫁いできました。(製材・天然乾燥を終えた木が、大工さんの作業小屋に運ばれてきました。)
この家のお客様が、娘(木)さんとご対面です。山では丸太だった木が、家の構造材として四角く製材されました。大黒柱(8寸)や通し柱(6寸)は、想像以上に太いです。立っている柱を見るより、断面が見える方が太さがよく分かるからです。
(現場報告記事:嫁いできた娘)

s-DSCP1888w.jpg

3枚目の写真、嫁いできた娘(木)さんとご対面してすぐに、大工さんと一緒に番付に参加してもらいます。
大黒柱や大きな梁などを家のどこに使うか、またどっち向きにしようか・・・、そんな難しいこと聞かれても困りそうですが、大工さんのアドバイスを聞きながらなので大丈夫です。
番付してもらうというよりは、木のことを知ってもらうためです。木には元末・お腹背中があって使い方のルールがあるなど・・・。決して難しい内容ではなく、分かると木の見方が変わって完成した家を見るのも面白くなるのです。
大工さんは、このように木を正しく見てさらに木の癖も見てどこにどう使うか決めているんですね。大事なことは、木をちゃんと正しく使っていますよということです。
(現場報告記事:嫁いできた娘とご対面)

s-DSCP2010w.jpg

4枚目の写真、番付の後しばらくして作業小屋に行くと、大工さんが墨付けをしているところでした。
墨つぼ・墨差し・差し金といった大工道具を使って、木に線や文字・記号みたいな物を書いています。それだけを見ていてもよく分かりませんが、刻まれるとその意味が分かります。

s-DSCP2124w.jpg

s-DSCP2140w.jpg

5枚目と6枚目の写真、墨付けが終わるとその次は刻み。嫁いできた娘(木)さんを一人前の花嫁にしてくれる(墨付け・刻み)のが大工さんです。
普通の家ならプレカットされる(機械が自動的に墨付け・刻みをする)のですが、大工さんが行う番付・墨付け・刻みは、木の使い方のルールを守る・適材適所に木を活かしてつくるという技術が丈夫で長持ちする家の秘訣なのです。
(現場報告記事:嫁ぐ娘を花嫁に嫁ぐ娘を花嫁に その2)

前編は、ここまで。
紹介する写真の数は少ないですが、実際には毎週大工さんの作業小屋に見学に来て下さいました。
家づくりの参加は、まだまだありますよ。後編につづく。
次回の記事:家づくりに参加する(後編)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 17:33| Comment(0) | 家づくりに参加する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月17日

西公文名の家「完成したら床に米ぬか塗り」

現場報告の締めくくりとして、完成時に必ず行う恒例行事が米ぬかワックス塗りです。
普通の家なら業者さんがクリーニングとワックスがけをしてくれますが、そういう物は塗らずに米ぬかワックスを塗っています。

s-DSCP3153w.jpg

それを塗るのは、業者さんではなくこの家のお客様です。しかし、玄関・浴室・タタミの部分以外は家じゅうが本物の木の床なので、塗る面積がとても広くてお客様だけで塗るのはとても大変です。そこで、この家の仕事をさせてもらった大工さんもお礼の意味を込めてお手伝いさせてもらいます。
1枚目の写真は、この家のお客様です。小さなお子様たちも、一生懸命に塗っていますね。
2枚目の写真は、1枚目の写真にも写っていたお兄ちゃんと大工さん、そしてもう一人は既に本物の木の家に住んでおられる先輩もかけつけていただいて、一緒に米ぬかワックスを塗って下さいました。

s-DSCP3155w.jpg

大人2人と一緒になってワックスがけをしているお兄ちゃんですが、この家のお客様・お子様はしょっちゅう現場に足を運んで見学に来て下さいましたので、現場にいたほとんどの職人さんを知っています。
なので、2枚目の写真の時も大人2人と話をしながら米ぬかワックスを塗っているお兄ちゃんでした。
それにしても、大人顔負けのしっかりした塗り方ですよね。
こんな風に磨いてもらって、山から嫁いできた娘(材木)さんもとても喜んでいるようです。
この家のご家族は、嫁いできた娘(材木)さんをずっとずっと大事にしてくれることでしょう。

(過去の記事:嫁いできた娘嫁いできた娘とご対面)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 14:33| Comment(0) | 現場報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月07日

西公文名の家「外構工事」

こちらの家は既に完成していますが、報告していない完成間近の現場の様子をご紹介します。
建物本体がほぼ完成に近づいてくると、外構工事が行われます。外構工事というと、大工さんがつくるようなところはないのが普通です。
今日ご紹介するのは、外構工事の中でもヌレエンと塀の取付けなのですが、これも普通の家なら木以外の素材であることがほとんどでしょう。
でも本物の木の家の場合は、こういう部分も本物の木でつくられるお客様が多いので、外構工事という現場報告でも大工さんが登場するのです。
本物の木の家を建てると、必ずそうしなければいけないわけではありません。いろいろな物(材料の一長一短・コスト)を見比べていただいたうえで、最終的にお客様に決めていただきます。

s-DSCP3112w.jpg

1枚目の写真は、大工さんがヌレエンをつくっているところです。建物の南側部分にあって、長さ約7.2mのヌレエンになります。
ヌレエンに面している掃出し窓(長戸)は、リビングと和室から出入りできるようになっています。これだけ長くずっとつながっているのは、お子様が走り回るための場所でもあるわけです。

s-DSCP3123w.jpg

2枚目の写真は、板塀をつくっている様子。そして3枚目の写真は、板塀がほぼ完成したところです。写真のような板塀は、正面から見ると向うが見えないようにつくるのが一般的です。
この家の南側は、お隣の会社の駐車場になっているため、そういう意味では目隠しになる板塀でも良いですが、風通しを悪くしないようになどもあって、低いところだけ向こうが見えないようにして上の部分は半分のみという板の張り方にしてあります。
大工さんの作業はここまで。3枚目の写真の板塀で残っているのは、笠木(板塀の一番上にある木)に水切り(板金工事)を取付けて完成となります。ヌレエンも板塀も、塗装はしませんよ。

s-DSCP3138w.jpg

この家のお客様は、ヌレエンは最初から木でしたが、板塀に関しては少し悩まれました。アルミのフェンスや化粧ブロック積みなど・・・。結局は、写真でご覧の通りの外壁ですから、外壁に一番合う本物の木の板塀にされたました。
でも、外壁に合う合わないだけで簡単に木の板塀にしようと思えるものでもありません。木に対する理解・愛着を持っておられるお客様だからからこそ、(外壁もそうですし)本物の木の板塀を選ばれたのですね。
外壁や外観のデザインに関しては、その家のお客様(好み・要望・予算)によってばらばらです。この家は、こういう風になりましたということです。

でもこの家、結構目立つようです。珍しそうに見ていかれる方も少なくありません。本来なら、日本の街並みに当り前にあった外観の家ですから珍しくもないはずなのですが・・・。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 21:54| Comment(0) | 現場報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月02日

わが家の夏の報告2015

新しいわが家に住んで2回目の夏を経験しましたので、今年の夏の様子をご報告します。(昨年度の記事:わが家の夏の報告その1わが家の夏の報告その2)9月の気温も見てからなのでようやくこの時期での報告です。
今年の夏も、結局暑くなりましたね。そして、その前後が涼しいという極端な夏だったと言えます。
気象庁には7・8・9月と各月ごとの平均気温が出ていますが、少しずらして6月中旬〜7月中旬・7月中旬〜8月中旬・8月中旬〜9月中旬に分けて平均気温を出してみました。それを昨年の夏と比較してみると、6月中旬〜7月中旬は昨年より0.8℃低く、7月中旬〜8月中旬は1.0℃高く、8月中旬〜9月中旬は0.7℃低く、なっていました。
これだけ違うので、体感でもよく分かりましたよね。7月中旬までは涼しく、その後急に猛暑になりその暑さが8月上旬まで続いたかと思えば、お盆からまた急に涼しくなりました。

さて、猛暑になった7月中旬から8月上旬まで、わが家の様子は・・・。
家の中にいて感じたのは、昼間は昨年ほど暑くなく、夜は昨年より暑かったというのが、今年の夏の体感でした。そう感じたので、昼間の平均気温と夜の平均気温が昨年とどう違っていたのか調べてみました。結果は7月中旬から8月中旬の期間、昼間の平均気温は昨年より1.2℃高く、夜は0.8℃高くなっていました。
昨年は、最高気温38℃という日があったのでその数字が印象的でした。今年は36.7℃が最高でしたが、猛暑日やその一歩手前の34℃以上の日数はやはり今年の方が多かったのです。

昨年、わが家では昼間にエアコンをつけることはなく、熱帯夜など夜寝る頃でもまだ暑い時だけエアコンを使いました。(こういう使い方になったいきさつなども昨年の記事に書いてあります。)
今年の夏も昼間にエアコンはつけませんでしたが、夜の平均気温は昨年より0.8℃高かったのですから、エアコンをつける日数が当然増えました。
昼間も昨年より1.2℃高かったのですが、エアコンを使わずにすんだのは昨年から試していた工夫のおかげです。
昨年、新しい家で初めての夏を体験しました。真夏日程度の気温ならエアコンなしで十分でしたし、猛暑日でも昼間の室温上昇を少し抑えればエアコンなしでも過ごせそうだということが分かり、それに対する工夫を行いました。
これなら猛暑日でもエアコンなしでいけるかなという感じになりましたと昨年の記事にも書いてありますが、いろいろ工夫しているうちに昨年の夏が終わってしまいましたので、今年はそれをきちんと実証するための夏でもあったわけです。
その結果、猛暑日でも昨年の夏と違うなということを実感しました。そのおかげで、昼間は昨年ほど暑くないという体感になったのです。
またそれは猛暑日だけでなく、そこまで温度が上がらない真夏日・夏日でも効果がありました。
昨年の夏から、わが家だけでなく普通(建材)の家でも同じ温度計を使いデータをずっととり続けています。(そのお宅も新しい家です。)そのお宅とわが家のデータを比較してみました。
そのお宅では昼間もエアコンをつけられるのでその時の比較はできませんが、エアコンをつけるほどではない日でもそのお宅よりわが家の方が常に室温が低くなっていました。特に昼間の差が大きく、(7月上旬のある日)普通の家の室温が30℃ある時、わが家では27℃とう具合に2〜3℃ほど低かったのです。

私も前の家に住んでいた時はこんなことは全くやっていませんでしたが、新しい家(本物の木の家)でいろいろ調べたおかげで、家の使い方・工夫というものが(少し)分かってきました。
わが家で試してみた夏の室温上昇を減らす家の使い方・工夫というのは室温にすると1〜2℃のことなのですが、それがエアコンをつけるか・つけなくても大丈夫かの分かれ目になる温度なので、その効果は大きいのです。
そういうことをするよりエアコンをつけた方が良いという考えの方もいらっしゃるでしょう。
そうではない、少しでも省エネな生活をしたい方や、特に夏のエアコンの場合は使い過ぎ・冷やし過ぎになりやすい機械です。そういう意味で、健康のためになるべくエアコンを使いたくない方もいらっしゃいます。そういう方には、ぜひ家の使い方の見直し・工夫されることをお薦めします。
ただ、肝心なことが1つあります。それは、本物の木の家であるということです。つまり、高温多湿の日本・富山に合う家のつくり方(木の効果)のおかげで、普通の家よりもエアコンを使う頻度が少ないわけです。
そういう性能を持っている家ですから、さらに一工夫して猛暑日でもなるべくエアコンを使わないようにしたい・・・と思いたくなる家なのです。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 19:01| Comment(0) | 木の家の住み心地を検証する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ブログのトップページへ

草野鉄男建築工房のホームページへ