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2015年06月19日

湿気がひどい・・・家づくりと湿気対策

前回、富山は年間降水量・降水日数が多く、年間平均湿度が全国1位であることを書きました。(前回の記事:湿気がひどい・・・富山の湿度)
最近は建材を多用した家が多くなりましたので、家の中の湿度が高くなるとジメジメするだけでなく、カビ・ダニの発生・アレルギーの原因となってしまいます。(過去の記事:呼吸する家・呼吸しない家)
そういう家の湿気対策は、いろいろな機械に頼らざるを得ません。洗濯物を乾かすために洗濯乾燥機、浴室乾燥機付換気扇、布団乾燥機、そして除湿器は何台も持っておられる家もあるようです。
しかし、これらの機械に頼らなくても、快適に暮らせる家があるのです。それは、呼吸してくれる家です。
本物の木は呼吸(調湿)してくれますから、木を使って家をつくれば良いのですが、大事なことは・・・その木がちゃんと呼吸できるようなつくり方にしなければいけません。

以前までは、本物の木の家に住まいをされた(設計させていただいた)お客様から「快適に生活しています。」「一年じゅう洗濯物がよく乾きます。」といった声をお聞きしていましたが、私も一昨年暮れから自分自身の家で生活をしましたので、実際に体験した本物の木の家の様子をお伝えすることができます。
わが家には、除湿器も布団乾燥機・浴室乾燥機付換気扇もありません。洗濯機は前の家から持っていた簡易乾燥機がついたタイプですが、今の家で洗濯物を乾かすためにその乾燥機を使ったことは一度もありません。昨年の梅雨、外で雨が降っていても家の中に洗濯物を干しておけば乾きました。
前回の記事の中で、北陸3県は除湿剤をたくさん置くというランキング結果もありましたが、そういう除湿剤も使っていません。除湿機・除湿剤に頼らなくても、木が(自然の)除湿をしてくれるからです。

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写真の家は木がたくさん見えていますが、デザインのために使う木ではなく、また和風・民家風にしたいためでもありません。(写真はわが家ではなくお客様の家です。)
木を、壁の中や天井裏に覆い隠してしまうのではなく、木に呼吸(調湿)してもらうようにつくることで木自身が長持ちするし、自然の除湿効果で家にも住まい手にも良い効果、つまり快適な家・住み心地の良い家にするためです。機械をたくさん買う必要もないですし、その電気代も要りません。また、それらの機械の掃除をする必要もありません。

本物の木の家の梅雨対策は?・・・その答えは「何もしなくて良い」なのです。

自然の除湿効果で家の中の湿度を低くしてくれますから、カビが生える条件にまでなかなかならないということです。それイコール、ダニの発生が少ない、食べ物も傷みにくいです。ホコリも湿気らずサラサラなので掃除しやすいというのも助かります。真夏でも生ゴミをキッチンに置いてあるゴミ箱の中に入れているのですが、(腐りにくいため)匂いが気になることはありません。
裸足で歩く木の床は一年中サラサラで、梅雨時期でもジメジメ・ベタベタしません。木の床の上に直接布団を敷いていますが、布団にカビが生えることもありません。

前の家では、湿気・カビなど大変でそれが当たり前のように思っていましたが、本物の木の家に住んでみたら大違いでした。それが当り前ではなかったのです。
カビとりや掃除の苦労(この辺は主婦の苦労ですが)だけならまだしも、住まいをする家族全員の健康に影響を及ぼしますから、健康に暮らせるということが住まいにとって一番重要なことだと実感いたしました。
また、その地域(気候)に合うように家づくりをすることが、本来あるべき省エネではないでしょうか。機械ありきの家がほとんどになってしまったため、機械の性能面などで省エネが言われていますが、その前にそういう機械がいらない家づくりをする方がよほど省エネになるのでは・・・。

最後に、湿気対策のためだけの本物の木の家ではありません。木自身のために・家のために・住まい手のために、木のいろいろな良さ(効果)がちゃんと発揮されるようにつくったら湿気対策にもつながるということです。木の呼吸は、木の良さの一つなのです。
木を使うと何が良いのか?、本物の木の家はなぜ住み心地が良いのか?、住まいとはどうあるべきか、見直してみませんか。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 17:16| Comment(0) | 木の家の住み心地を検証する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月12日

湿気がひどい・・・富山の湿度

北陸の平年の梅雨入りは6月12日なのですが、今年はもう少し先のようです。
梅雨と言えば、昨年7月に妻がこんな話をしていました。ある会合に出席した時、その中に神奈川県と静岡県から富山に引っ越してこられた方が二人おられたそうです。
梅雨だったので「富山って湿気がひどいですねー、洗濯物が乾かなくて困ります。」というのが、お二人共通の悩みだったそうです。一人の方は、あまりにもひどいので電気屋さんに行って除湿器を2台を購入されたのだとか。

ずっと富山に住んでいると、それが普通だと思っているので特別に湿度が高いというほどの感覚でもありませんでした。
都道府県別の年間平均湿度ランキングを調べてみますと、年度によって少し違いますが富山が77〜80%でほぼいつも全国1位です。(最下位は、東京都の61〜62%)
この他にも、年間降水量・降水日数も富山が上位に入っていますから、そういう数字を見てみると他県に比べて富山は、雨(雪)が多く湿度が高いということが分かります。

数年前の調査ですが、ウェザーニューズ社の「全国ジメジメ調査」というのがありました。
それによると、梅雨の時期に超ジメジメ感を感じやすい県は、京都府が1位。意外なのは、富山県が46位でした。それに45位秋田県、47位青森県と湿度が高い地域が下位に並んでいます。
人口が多い県が上位に並んでいると書いてありましたが、それ以外にも、もともと雨(雪)が多く湿度が高い地域では、そう感じにくいのもあると思われます。
1部屋あたりに置く除湿剤(除湿器ではなく除湿剤)の数は、石川県・福井県・富山県の順に北陸3県がトップ3となっています。
雨(雪)に慣れているので、梅雨だから特別ジメジメを感じるとはいわなくても、除湿剤・除湿器など湿気対策はちゃんとしているのです。(しなければならないと言った方が良いのでしょう。)
ジメジメして嫌なのは、というアンケートでは・・・汗がひかない、寝苦しい、洗濯物が乾きにくい、布団が湿る、服がまとわりつく、食べものが傷みやすい、廊下がべたつく、など並んでいました。

結局、家の中の湿度が高いわけですから、洗濯機や洗面所のある水回りだけでなく、部屋・収納の隅でカビが生える・ダニが発生しやすくなります。またそれが原因で、アレルギー・鼻炎が増えているのも確かです。
安らぎ・落ち着きの場所としての住まいは、そうであっては困りますね。
高温多湿の日本ですが、その中でもより湿度の高い富山ですから、こういう地域であることを考えた家づくりをしなければいけません。
しかし、最近では呼吸しない家がほとんどになり、うちはカビがひどくて・・・、結露がひどくて・・・、子供がアレルギーで・・・という声を多く聞きます。
また、それは仕方のないことだと思っておられるようですが、決してそうではないのです。

では、そうならないようにするには、どうすれば良いのでしょうか?
カビ・ダニなどに悩まされない家とは? 梅雨時期の対策方法は?
次回「湿気がひどい・・・家づくりと湿気対策」につづく。

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 22:25| Comment(0) | 木の家の住み心地を検証する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月09日

西公文名の家「晴れ舞台が終わって・・・」

嫁ぐ娘(山から運ばれてきた木)は、建て方・上棟という晴れの舞台で立派に建ちあがりました。(過去の記事:嫁ぐ娘の晴れ舞台 その2)
その後は、現場の方もだいぶ進みました。屋根(この家は瓦屋根)が葺き終わり、窓も取り付いて防水シートが張られましたので、家の中に雨が入ることもなくなり、内部では床をつくる作業が始まりました。
建て方時に、屋根垂木に野地板を張ると2階の天井がすべて出来上がってしまうことをご紹介しました。同じように、2階床梁の上に板を張るとそれがそのまま1階の天井になります。1枚目の写真は、2階床梁の上に板を仮並べしてある状態です。

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野地板もそうですがこの板も、あらかじめ大工さんの作業小屋で板の番付(板を1枚1枚見て、どこに張るかを決める)をしてあります。
現場ではまず床梁の上に仮並べをし、下から眺めてみて最終的な板の並べ方を決めます。そして、きちんと張り終えた状態が2枚目の写真です。
このように、2階床梁の上に板を張ると、それが1階の天井になるというわけです。

s-DSCP2708.jpg

ただし、この板がそのまま2階の床板になるのではありません。実際に足で踏む2階の床板は、さらにこの上に張ります。
直に張るのではなく、わずかなすき間(このすき間が配線配管スペース)をつくり、床仕上げの下(捨張り)として杉の荒板を張り、その上に仕上げの床板を張って2階床の完成となります。
1階の床も同じように、荒板を捨張りした上に仕上げの床板を張ります。3枚目の写真は、仕上の床板を張り終えた状態です。

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ところで、普通なら建て方が終わると外壁を張る作業も同時進行するのですが、この家では外壁を後回しにして床板張りの作業を優先していました。
何故かと言いますと、梅雨入り前に床板を張り終えるためです。呼吸(調湿)する本物の木なので、梅雨になり湿度が高くなると、湿気を吸って板が伸びるからです。
板が伸びている時に張ると、乾燥した時に縮む量が増えて、板と板の間のすき間がより大きくなってしまいます。そうならないように、板張りの作業は梅雨時期を避けます。(これは、板張りすべてということではなく、縮むとすき間が目立つ張り方の場合)
梅雨時期にどういう工程になるかは、最初から考えておく必要があります。この家の工期は、梅雨入り前に床板を張り終われるように着工したのです。
予定通り、梅雨入り前に床板張りの作業を終えることが出来ました。
現場では、既に外壁工事が始まっています。この家は、どんな外壁にされたのか?
ある程度進みましたら、ご報告いたします。(次回の記事:外壁)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 14:50| Comment(0) | 現場報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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