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2015年04月17日

西公文名の家「嫁ぐ娘を花嫁に その2」

嫁ぐ娘(山から運ばれてきた木)は、晴れの舞台(建て方・上棟)で花嫁になるための最後の準備(大工さんによる手刻み)をしています。
一緒に暮らすご家族(お客様)は、娘に会いに来るだけでなく、大工さんの作業もとても熱心に見学して下さいます。
すると大工さんが・・・。前回の続き(前回の記事:嫁ぐ娘を花嫁に)

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穴をあけている作業だけ見るよりも、何のための穴か分かった方が良いだろうということで、特別に大工さんの説明が始まりました。
この段階では管柱の刻みはまだだったので、切れ端を使ってこの穴に差し込む短い柱をつくってくれました。横に落ちていた切れ端が、あっという間に長ほぞのついた短い柱になったので、つくるのが早いとみんな驚きです。
1枚目の写真、あっという間にできた短い柱を大工さんが説明しています。この先っぽをほぞと言って、普通の家のほぞは短いけど、この家は長ほぞになっているんだ・・・。

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2枚目の写真では、その短い柱を掘ったばかりのほぞ穴に挿し込んで見せてくれています。この穴が、何のための穴なのかよく分かりますね。
写真では、短い柱が既に挿してありますが、ここでもみんな驚いたことがあります。大工さんが、金づちを使って半分ほどまで挿し込んだのですがその入り具合が絶妙で、固すぎてなかなか入らないこともなく、かといってゆるゆるでもなく、ちょうど良い具合なのです。
丁寧につくった本当の柱ではなく、切れ端でサッとつくった物がそうだったので、なお驚きでした。さすが、職人技!

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3枚目の写真、この大工さんは鑿(のみ)を使って作業をしていたので、鑿の使い方の説明をしてくれました。お父さんなら、昔中学校の技術の時間に鑿を使って・・・、そう言えば、習いましたよね。
4枚目の写真では、手前の大工さんが既に刻んである梁材を使って、いろいろな形状の穴や削ってある部分は、何のためにそうなっているのかを説明をしてくれました。
これだけ分かるだけでも、建て方を見ていても面白いだろうから・・・、と大工さんが最後に一言。

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普段なら黙々と作業する大工さんですが、このご家族が(特に小さなお子様が)興味深く見てくれるので、急きょ始まった大工さんの刻み講座でした。
組み上がったら見えなくなってしまう継手・仕口部分ですが、大工さんの特別講座のおかげで住んでからもずっと覚えているでしょうね。

このように、大工さんの作業所でもいろいろな経験をしました。嫁ぐ娘とご対面、番付・墨付け・刻みの見学、そして大工さんの特別講座。
これらは、お客様の家づくりの貴重な思い出として、また数ページ加わりました。
次回はいよいよこの家の建て方です。(嫁ぐ娘の晴れ舞台 その1)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 19:11| Comment(0) | 現場報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月13日

西公文名の家「嫁ぐ娘を花嫁に」

嫁いできた娘(山から運ばれてきた木)は、家が完成したら一緒に暮らすご家族(お客様)と対面している様子を、前回ご報告しました。(前回の記事:嫁いできた娘とご対面)
その時に大黒柱や大きな梁材を、どの木をどこに使うかを決める番付という作業を、大工さんとお客様と一緒に行いました。
嫁ぐ娘は、晴れの舞台(建て方・上棟)に立つために、花嫁としての最後の準備にとりかかります。(大工さんが、墨付け・刻みをします。)
今日は、その墨付けと刻みの作業のご紹介です。

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1枚目の写真は、大工さんが梁材に墨付けをしているところです。
番付に立会っていただいてから1週間後、お客様が墨付けの様子を見にきて下さいました。

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2枚目の写真、子供たちはすぐに大工さんの所に駆け寄って、何をしているの?
訳の分からない記号みたいなものや、大工さん独特の文字を不思議そうに見ています。
墨付けされた墨だけでは、子供たちには説明しても難しいので、刻んでいるところを見るまでのお楽しみです。
ということで、また1週間がすぎて大工さんの所に来てみると・・・刻みが始まっていました。

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3枚目の写真は、梁材の継手を加工しているところで、追っ掛け大栓継ぎという継手です。
複雑な形状をしていますが、その部分で木と木が接することで粘り強さが発揮されます。それが、構造材に木を使ってある木造ならではの木を活かした継手なのです。
この複雑な継手も、組んでしまうと複雑な形状が見えなくなってしまいます。ですからこういう部分は、大工さんが刻んでいる時に見ておくのが良いでしょう。

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4枚目の写真、子供たちにとっては墨付けはよく分かりませんでしたが、大工さんの刻みの仕事となると興味津々です。
いろいろな道具や機械が登場するからです。聞いたことのない音がすると、すぐさま音のする方へ。
この日は、4人の大工さんが刻みをしていましたので、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら、とても面白そうに作業を見ていました。
こうしていろいろ見ていると、墨で書かれた訳の分からなかった記号は、その墨の通りに穴が開けられたり削られたりと、少し理解できたようです。

嫁いできた娘も、これだけご家族に見守られると、きっと心強く嬉しいに違いありません。
作業している大工さんたちだって、家族みんなで興味深く見ていただくと、やりがいがあるでしょう。
すると大工さんが・・・。次回に続く。(嫁ぐ娘を花嫁に その2)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 18:10| Comment(0) | 現場報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月03日

西公文名の家「嫁いできた娘とご対面」

前回、林業家の娘が嫁いできた(山から木が運ばれてきた)ご紹介をしました。(前回の記事:嫁いできた娘)
その娘さんに、お客さんが会いに来て下さいました。
この日が初対面ではなく、昨年の秋(伐採ツアー)の時に一度会っておられるのですが、でもその時はまだ天然乾燥中の荒削り状態でした。今回は、綺麗に削られた娘さんの姿を初めて見て「これからずっとよろしくね。」とご対面です。
このあとは、大工さんがこの家に嫁ぐ一人前の花嫁にしてくれます。それは、番付・墨付け・手刻みという手順で行われていきます。
早速、番付から始まっていくのですが、お客様が会いに来られた際に番付にも参加していただきます。大工さんは、たくさんあるすべての材を番付しますが、お客様には大黒柱と大きな梁を見てもらいます。

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1枚目の写真は、番付のスタートとして最初に大黒柱から・・・と、天井クレーンで大黒柱を見やすいように移動しています。
そこで、まずは番付の基本から、木の元口と末口、木のお腹と背中、木の反りと向きなど、私が説明をします。それほど難しい話ではなく、説明すれば誰でも理解できる木の使い方の話です。それは、適材適所の木でなおかつ正しい木の使い方をしますよという、丈夫で長持ちする家の肝心な部分です。あとは、その1本の木だけの木目や節などをどう活かすかなども加味しながら番付していきます。
2枚目の写真は、大黒柱の上から下までそして四面とも、良く見ておられるところです。小さなお子様も、ちゃんと木を見て手で触っていますね。話の内容は分からなくても五感で感じとっています。

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3枚目の写真は、梁の番付です。梁の赤身部分が、弓形に下方向にカーブしています。本物の木を使って家づくりされたお客様であれば、この意味が分かります。上記の木の使い方の話を聞かれたからです。
部屋に立って、上にある梁を見ているかのように置いてあります。リビングからは、こっちの面が見えることになりますね。と大工さんが図面を使って説明しています。この場では、分かったような分からないような感じなのでしょうが、組み上がった・出来上がった状態を見るとよく分かるし、番付した時のことを思い出すでしょう。
番付の意味(木の使い方)を知って自分の目で見たのと、そういうことを知らないのとでは、完成した家を見ても見方が全然違いますよね。

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写真に写っている小さなお子様も、山に生えている木やその木が伐採されるところから自分の目で見ています。それから何ヶ月もたって、ようやく大工さんの所で綺麗に削られた木を見る。
子供がゆっくり感じる時間の中に、家づくりの思い出が1ページずつ刻まれています。
さて、次の1ページは・・・? (次回の記事:嫁ぐ娘を花嫁に)

草野鉄男建築工房
posted by kusano at 20:43| Comment(0) | 現場報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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